コラム

2015-11-19

マナーうんちく話1090《「江戸しぐさ」に学ぶ「地域創生」》

江戸時代の町人は武士に比べると、狭い場所に多くの人々がうごめいているわけですから、身のこなし方や考え方も、みな仲良く円満に共生する知恵を出し合いました。

だから様々な立ち居振る舞い、言葉遣い、付き合い方にも創意工夫が至る所に組み込まれています。

「競争の原理」とはかなりかけ離れていますが、その大前提は、全ての人が自立したうえで、助け合い、支え合う精神で暮らしたことです。

今の日本は、少子化と高齢化が同時に進行して、子育てや介護等が大きな社会問題になっています。

しかし、子育てや介護の問題は当然江戸時代にも発生しています。
今と異なる点は、皆で助け合い、支え合って暮らしたということでしょう。

例えば、「親はなくても子は育つ」と言われました。
親がいなくても、子どもは近所の人がわが子のように扱い、時には叱り、時には必要な手をさし向けてくれたのですね。

加えて、当時も高齢者の「認知症」はありました。
当時は平均寿命も短く、認知症になるまでに命が尽きていたようですが、中には長生きして、頭脳や身体の働きが衰え、徘徊するような人もいました。

このような状態を「もうろく」と呼んでいましたが、もうろくした人を地域で支え合うのが当たり前の社会だったようです。
現代でも多くの国ではそうでしょう。

個人情報保護法に不必要に振りまわされて、認知症そのものを隠したがる現代社会と大きな違いです。

私は今地域で「地域創生講座」を主催していますが、その理念は「思いやりの心での支え合い、助け合い」で、江戸しぐさからヒントを得ています。

そのせいか、多くの共感を得て、毎回定員を上まわる好評ぶりで、早くも第2幕の開催を期待されている状況です。

赤の他人である子どもでも、高齢者でも、困っている人がいれば、暖かい手をさし述べて助け合っていく姿は、地域起こしの根幹を成すものです。

予算も、特産物も、有力企業も、人財も、歴史・文化遺産も、なにもかもないないづくしの地域は、日本には数えきれないくらい存在します。

しかも高齢化、核家族化、少子化は留まるところを知りません。

そんな状況下でいかに足元の地域を元気にするか?

「助け合い」「支え合い」の精神を大切にしてきた「江戸しぐさ」には、素晴らしいヒントが多々あります。

地域創生は江戸しぐさに見られる「思いやりの心」が必要不可欠だということです。

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マナー講師 平松幹夫

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