コラム

 公開日: 2016-03-11  最終更新日: 2016-05-27

被介護者の家族が安心する施設を接遇マナーから考える


介護施設の利用者様やそのご家族がおかれている環境はさまざまです。そのため、それぞれにふさわしい接遇が求められます。

意外かもしれませんが、介護施施設では利用者様よりもご家族とのトラブルが多いのが現状です。トラブルの多くは、ご家族などからの苦情や要望に対して、正しく対処できなかったことが原因と考えられます。

まずはご家族のお話しを聴き十分に気持ちを理解すること、その上でお詫びや補足説明をすることが大切です。

人間性と感性が求められる介護

介護施設を利用される方の心身のコンディションや生活環境、経済状況などはさまざまです。利用者様と同様、ご家族がおかれている環境もそれぞれに異なります。

介護従事者は介護を受ける方の尊厳に関わるケアを行うなど、利用者様やご家族の非常にデリケートな部分に携わりますので、個々の状況やお気持ちに合わせたケアが不可欠です。

それぞれのニーズに応えるためには、利用者様やご家族の気持ちに寄り添い、思いをくみ取るための接遇力やコミュニケーションスキルが必要です。

相手を思いやり、その思いにそって行動する接遇、相手の心の奥にある本音に耳を傾けるコミュニケーションスキルは、介護従事者に求められている職能の約8割を占めるとも言われています。

介護従事者には、利用者様やご家族から信頼してもらえる人間性と、相手の立場に立って考える細やかな感性が求められています。

介護従事者は言い分けではなく、まずは話を聴き共感を

介護の現場では「利用者様と」というよりも、ご家族とトラブルになることがあります。
利用者様が不満を訴えることがなくても、ご家族は利用者様のことを思うがあまり、介護従事者などに厳しい言葉や態度で改善を求めてくることもあります。

トラブルに発展した原因として、ご家族の苦情や要望に対して介護従事者が「説得をしようとした」といったことが考えらます。
どういうことかと言うと、何か問題が起きた際に介護する側が状況などを説明する中で「自分たちの事情を先に述べ、ご家族などを説得する形になった」、つまり言い分けを先にしてしまった可能性があります。

介護従事者はまずご家族の声に耳を傾け、介護する側に至らない部分があった場合はそれに対してお詫びをするなど、相手の立場に立ってその思いに応えることが必要です。

ご家族に信頼してもらうためには「具体的な対応」を

まず、会議室やカンファレンスルームなど話をじっくり聞ける環境を用意して、足を運んでいただいたこと、時間を作っていただいたことについてお詫びをしましょう。

そして「ご不快な思いをさせてしまい申し訳ございませんでした。お話をお聞かせ願いますか?」と、ご家族が不快に思っていること、不満に感じていることなどについてお伺いします。このとき、気持ちを静めてもらえるように、ご家族の心情をしっかりと理解して共感しながら話を聴くようにしましょう。

介護する側に非があった場合は、「このたびは誠に申し訳ありませんでした。また、貴重ご意見をありがとうございました」とお詫びと感謝を伝えてください。

お詫びをする際は「申し訳ございません」と謝罪の言葉だけを述べるのではなく「○○について配慮が足りず申し訳ございませんでした」と具体的な内容についてお詫びするようにしましょう。

「事務的な扱い」ではなく「具体的な対応」を心掛け、まずはご家族の言い分を理解し、その上でお詫びや補足説明をすることで介護従事者や施設への信用につながります。

利用者様の思いをご家族に伝える

利用者様の気持ちがご家族に届いていない場合もあります。

利用者様の中には、在宅介護を望んでいるけれど家族の負担を減らすために施設に入所している方もいらっしゃいます。

「家族のみんなに、頻繁に面会へ来てほしい」という気持ちをおさえて、ふさぎこんだり不機嫌になったり、利用者様によって感情表現はさまざまです。
利用者様が望んでいることを推し量り、その気持ちをご家族に伝えることで利用者様の態度や心が安定し、 ご家族に安心していただくことができます。

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