コラム

 公開日: 2015-10-27  最終更新日: 2015-11-12

7 ただより高いものはない ー 中古マンションに気をつけろ

 これは知恵の問題ではなく,知識の問題
 知ると,知らざるの大きな差
 となれば,不動産を買う場合は,事前に,弁護士に相談するのがよいかも

中古マンション(専有部分)に抵当権がついているため,財産的な価値はないが,住むことはできるので,ただで住む価値はあると考え,中古マンションをただで取得したというような場合,前の所有者が,管理費や修繕積立金等の未納分を残していたときは,そのマンションを取得した新所有者には,その未納管理費等の支払義務が発生します(区分所有法8条)。
 むろん旧所有者にも,その支払義務はありますが,新所有者は,旧所有者の債務を重畳的に引き受けたとされるのです。
 これは競売によって専有部分を取得したときも同じですので、不動産競売の実務では、管理費等の滞納がある場合には物権明細書(民事執行法62条)にその旨記載され、入札希望者に注意を促しています。




 ここでクエスチョンです。
Q 管理費の中に、個々の区分所有者が専用部分において消費した水道料金や電気料金がある場合も,新所有者は,支払義務があるのか?
 これは,区分所有者が管理組合に対して支払うべき管理費の中には、個々の区分所有者が専用部分において消費する水道料金や電気料金を含む場合がありますので,その未納分まで、マンションの譲受人に支払義務があるのか?という問題です。
 大阪高裁平成20.4.16判決は、個々の区分所有者がその住んでいる専用部分において消費した水道料金や電気料金は、マンションの共用部分の管理とは直接関係がないので、原則として、区分所有者の譲受人には請求できないとしながら、マンションの構造によっては、水道や電気料金が各戸計量や個別計算ができず、管理組合が一括して供給を受け、一括して立替払いをした上、管理規約に基づいて管理組合が個々の区分所有者に個別の使用料を請求しているような場合は、ライフラインの確保のための必要な措置であるから、管理費用に含めうるとして、マンションの譲受人に対し請求できる、と判示しております。

この記事を書いたプロ

弁護士法人菊池綜合法律事務所 [ホームページ]

弁護士 菊池捷男

岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL:086-231-3535

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

3

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
菊池綜合法律事務所|菊池捷男弁護士は数多くの民事裁判を手がけてきたエキスパート

法律事務所は決して敷居の高い場所ではありません。(1/3)

 事務所設立以来40年、「うそをつかない、ごまかさない」を信念に、離婚や相続など数多くの民事裁判を手がけてきた菊池捷男さん。現在事務所には菊池さんを筆頭に6人の弁護士が在籍し、民事から企業法務まであらゆる法律問題をサポートしています。 ...

菊池捷男プロに相談してみよう!

山陽新聞社 マイベストプロ

あらゆる法律問題に対処可能

事務所名 : 弁護士法人菊池綜合法律事務所
住所 : 岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL : 086-231-3535

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

086-231-3535

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

菊池捷男(きくちとしお)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
学者さまと弁護士 その1

学者さまと弁護士 本年6月1日より、私の大学時代からの友人である 後藤紀一 弁護士が、当事務所の一員になり...

[ 会社関係法 ]

監査等委員会とは?

1 株式会社の監査機関 平成26年に会社法が改正され、株式会社の監査機関として、「監査等委員会」を設置する...

[ 会社関係法 ]

共同保証人間の求償権の趣旨・消滅時効中断事由に関する初判例

最高裁判所平成27年11月19日判決の紹介時系列的事実関係⑴ 信用保証協会Aと主債務者会社の代表取締役Bが、銀...

[ 民法雑学 ]

労働 時間外労働等に対する割増賃金を年俸に含める旨の合意の有効性について(後半)

 最高裁判所第二小法廷平成29年7月7日判決は、①医療法人と医師との間の雇用契約において時間外労働等に対す...

[ 労働 ]

労働 時間外労働等に対する割増賃金を年俸に含める旨の合意の有効性について(前半)

 最高裁判所第二小法廷平成29年7月7日判決は、医療法人と医師との間の雇用契約において時間外労働等に対する...

[ 労働 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ