コラム

2015-08-03

民法雑学 法人格否認の法理

  法人格否認の法理とは,
相手方は,法人であるが,その「法人格が全くの形骸にすぎない場合、またはそれが法律の適用を回避するために濫用されるが如き場合ににおいては、・・・会社名義でなされた取引であつても、相手方は会社という法人格を否認して恰も法人格のないと同様、その取引をば背後者たる個人の行為であると認めて、その責任を追求すること」ができる(最高裁昭和44年2月27日判決)という法理をいいます。
また,
法人格としては,形式的には甲社と乙社というように,複数あるように見えても,両者の関係が,上記のような関係にある場合は,取引の相手方は,いずれに対しても責任を追求することができるという法理です(最高裁判所昭和48年10月26日判決)。
 具体的は,
親会社が,子会社の労働組合を壊滅させる目的の下で,子会社を解散させたと認定されたケースで,子会社の労働組合員からの,親会社に対する,継続的かつ包括的な雇用契約上の地位の確認を認めた例(大阪高等裁判所平成19年10月26日)や,
金融会社が,借主から,利息制限法違反の利息を取得する目的で,実質的に支配する複数の法人に,手数料などの名目で,実質的な利息を支払わせたことにつき,法人格が否認され、借主から金融会社の親会社に対する過払金返還請求が認められた事例(東京高等裁判所平成24年6月4日判決)
等があります。

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