コラム

 公開日: 2015-07-05 

債権法改正 請負③ 請負人の担保責任の期間の制限

(請負人の担保責任の制限)
第636条 請負人が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない仕事の目的物を注文者に引き渡したとき(その引渡しを要しない場合にあっては、仕事が終了した時に仕事の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないとき)は、注文者は、注文者の供した材料の性質又は注文者の与えた指図によって生じた不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。ただし、請負人がその材料又は指図が不適当であることを知りながら告げなかったときは、この限りでない。

(目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限)
第637条 前条本文に規定する場合において、注文者がその不適合を知った時から1年以内にその旨を請負人に通知しないときは、注文者は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。

2 前項の規定は、仕事の目的物を注文者に引き渡した時(その引渡しを要しない場合にあっては、仕事が終了した時)において、請負人が同項の不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、適用しない。

【コメント】
第636条は,実質的な改正ではない。
第637条は,現行法が「・・・瑕疵の修補又は損害賠償の請求及び契約の解除は、『仕事の目的物を引き渡した時』から1年以内にしなければならない。」とあるのを,『注文者がその不適合を知った時から1年以内にその旨を請負人に通知』するだけで,履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができることにしたのである。
通知をするだけで,履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除ができることになるが,これらの請求や解除は,債権に関する消滅時効の規定の適用を受け,5年内にしないと時効消滅することになる。

なお,現行法の638条では,建物その他の土地の工作物の請負人には,5年(普通の建物)と10年(鉄筋コンクリート造りなど)の担保責任期間を設けているが,改正法でこの規定は削除されるので,建物など土地の工作物についての担保責任も,改正法637条が適用になる。
2項は,新設規定である。このような請負人は保護の必要がないからである。

この記事を書いたプロ

弁護士法人菊池綜合法律事務所 [ホームページ]

弁護士 菊池捷男

岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL:086-231-3535

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

2

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
菊池綜合法律事務所|菊池捷男弁護士は数多くの民事裁判を手がけてきたエキスパート

法律事務所は決して敷居の高い場所ではありません。(1/3)

 事務所設立以来40年、「うそをつかない、ごまかさない」を信念に、離婚や相続など数多くの民事裁判を手がけてきた菊池捷男さん。現在事務所には菊池さんを筆頭に6人の弁護士が在籍し、民事から企業法務まであらゆる法律問題をサポートしています。 ...

菊池捷男プロに相談してみよう!

山陽新聞社 マイベストプロ

あらゆる法律問題に対処可能

事務所名 : 弁護士法人菊池綜合法律事務所
住所 : 岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL : 086-231-3535

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

086-231-3535

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

菊池捷男(きくちとしお)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
これからの契約実務⑤ 動機を書いて置けば、動機の錯誤で契約の取消し可能

 契約書に「契約の内容」としての「目的」を書いておけば、その目的が達成できないことが分かった時は、契約を「...

[ 債権法改正と契約実務 ]

これからの契約実務④ 金銭消費貸借契約では,諾成的契約が可能になる

現行法の下では、金銭消費貸借契約は、要物契約、つまりは、現金を交付することで成立する契約になっていますが、...

[ 債権法改正と契約実務 ]

これからの契約実務③ 自殺の履歴が契約解除の理由になる

現行法にあっては、契約を解除するには、債務者の帰責性(故意又は過失)が必要です(民法543条ただし書)。しか...

[ 債権法改正と契約実務 ]

これからの契約実務② 「契約の内容」の書き方

目的や動機、契約に至る経緯を書くことの重要性これは、以前(2014-01-06)、コラムに書いたことですが、 最高...

[ 債権法改正と契約実務 ]

宅建業者の重要事項説明義務違反の一事例 税制度の説明の過誤

 東京地裁昭和49年12月6日判決は、不動産の所有者である甲(大学教授)に対し、同人が所有する土地(固定資産)...

[ 不動産 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ