コラム

 公開日: 2015-02-17 

遺産分割⑫ その他の付随問題

1,同族会社の経営問題
 被相続人の個人会社の株式 (いわゆる自社株式) が遺産である場合,これを誰が相続するかは,会社を誰が経営するかの問題になりますので,この問題は,遺産分割の問題よりは,会社経営の問題になり,裁判所は,基本的には,タッチしません。

2,扶養や介護を巡る問題
 父が亡くなり,相続が開始したが,母の扶養を誰がするかで,父の遺産の分け方が違ってくる,という場合がありますが,そのためであっても,裁判所は,審判で,相続人の相続分を変更することはできないので,タッチできない問題になります。

3,遺産である土地の境界問題や私道問題
 親の土地と子の土地が隣接していて,親が存命中は問題にならなかった境界争いが,親の死をきっかけに生ずるということもあります。
 また,子が親の土地を通行していたのが,遺産分割の結果次第では,通行できなくなるという問題もあります。
 しかし,裁判所は,審判では,その解決は不可能です。
 これは相続人間の話し合いによる解決又は地方裁判所での裁判以外に解決方法はなく,その話し合いがうまくいかない場合は,家庭裁判所は,その問題を無視して,審判によって遺産分割をしてしまいます。

4,金銭貸借問題
 これもよく生ずる付随問題ですが,遺産分割とは無関係の問題です。
 被相続人が相続人に対し貸金を有しておれば,その債権は,全相続人に,相続分に応じた可分債権として相続されますので,各相続人が債務者相続人に対し,その金額を請求するだけでよく,また,相続人が被相続人に貸金債権を有していた場合は,被相続人のその債務は,全相続人が,相続分に応じて可分債務として相続していますので,債権者相続人は,他の相続人に対し,その相続分に応じた債権額を請求するだけでよいのですから,遺産分割は,その問題を無視して進めます。

5,祭祀承継問題
 祭祀を誰が承継するかの問題も,遺産分割とは無関係になります。これについて,相続分間に意見の一致が見られない場合は,別途,祭祀の承継者を定める審判を求めなければなりません。

ご相談は弁護士法人菊池綜合法律事務所へ!

この記事を書いたプロ

弁護士法人菊池綜合法律事務所 [ホームページ]

弁護士 菊池捷男

岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL:086-231-3535

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

1

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
菊池綜合法律事務所|菊池捷男弁護士は数多くの民事裁判を手がけてきたエキスパート

法律事務所は決して敷居の高い場所ではありません。(1/3)

 事務所設立以来40年、「うそをつかない、ごまかさない」を信念に、離婚や相続など数多くの民事裁判を手がけてきた菊池捷男さん。現在事務所には菊池さんを筆頭に6人の弁護士が在籍し、民事から企業法務まであらゆる法律問題をサポートしています。 ...

菊池捷男プロに相談してみよう!

山陽新聞社 マイベストプロ

あらゆる法律問題に対処可能

事務所名 : 弁護士法人菊池綜合法律事務所
住所 : 岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL : 086-231-3535

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

086-231-3535

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

菊池捷男(きくちとしお)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
コーポレート・ガバナンスとエクイティ・ファイナンスとの関係

コーポレート・ガバナンス(corporate governance)とは、「企業統治」とか「会社の運営機構」などと訳されてい...

[ 会社関係法 ]

内部統制システムとは、何?⑪ ついに自治体の長の義務にもなる

会社の取締役の、内部統制システム整備義務は、自治体の長の義務にもなった。すなわち、平成29年6月2日に,地方自...

[ 会社関係法 ]

ロータリーの卓話から 倉敷もん

本日、聞いた卓話、面白かったので、紹介します。題して「倉敷もん」日本人は、「道」が好き。茶道、柔道、...

[ その他 ]

死者に関する情報を教えてほしいと要請を受けた場合

Q 当社は、広く、個人の顧客と取引をしておりますが、今般顧客A氏がお亡くなりになり、そのお孫さんから、A氏が...

[ 民法雑学 ]

参考裁判例 2年分は無効、1年分は有効(消費者契約法)

東京簡裁平成21年8月7日判決は,建物賃貸借契約書には,「賃借人が賃貸借開始より1年未満で解約する場合は違...

[ 不動産法(賃貸借編) ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ