コラム

 公開日: 2014-12-22 

自治体私債権の回収マニュアル➁ 債権につき自治体がとる手続

1,納入の通知から訴訟手続まで
(1)納入の通知(地方自治法231条・地方自治法施行令154条3項)
 自治体が最初にすることは「納入の通知」です。地自法231条は「普通地方公共団体の歳入を収入するときは、政令の定めるところにより、これを調定し、納入義務者に対して納入の通知をしなければならない。」と規定しています。政令というのは同法施行令の154条3条のことで「・・・納入の通知は、所属年度、歳入科目、納入すべき金額、納期限、納入場所及び納入の請求の事由を記載した納入通知書でこれをしなければならない。ただし、その性質上納入通知書によりがたい歳入については、口頭、掲示その他の方法によつてこれをすることができる。」と定めています。
(2)督促
 次のステップが督促です。地自法240条2項,地自令171条は,「履行期限までに履行しない者があるときは、期限を指定してこれを督促しなければならない。」と規定しています。
(3)訴訟手続による請求
地自令171条の2は,「・・・督促をした後相当の期間を経過してもなお履行されないときは、次の各号に掲げる措置をとらなければならない。」と規定しています。
① 担保を処分し、若しくは競売その他の担保権の実行の手続をとり、又は保証人に対して履行を請求すること。
➁ 債務名義のある債権については、強制執行の手続をとること。
③ それ以外の債権については、訴訟手続により履行を請求すること。
ただし,これらの手続の前に,徴収停止や履行延期の特約により履行期限を延長する場合その他特別の事情があると認める場合は、この限りではありません(ただし書)。

2,相当の期間
納期が徒過した後,どのくらいの期間が経過すれば督促をするか,税金の場合は20日と定められていますが,私債権については法には定めはありません。しかし,自治体には,債権管理条例や要綱で,督促状を発する時期を納期期限から10日から30日までの間に定めているのが一般的です。訴訟手続による履行請求の義務が生ずる「相当の期間」を1年とする自治体が増えています。

3,訴訟の手続
通常訴訟の提起のほかに,少額訴訟,支払督促の申立て,即決和解,民事調停の申立て,債権者破産の申立て等があります。

この記事を書いたプロ

弁護士法人菊池綜合法律事務所 [ホームページ]

弁護士 菊池捷男

岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL:086-231-3535

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

2

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
菊池綜合法律事務所|菊池捷男弁護士は数多くの民事裁判を手がけてきたエキスパート

法律事務所は決して敷居の高い場所ではありません。(1/3)

 事務所設立以来40年、「うそをつかない、ごまかさない」を信念に、離婚や相続など数多くの民事裁判を手がけてきた菊池捷男さん。現在事務所には菊池さんを筆頭に6人の弁護士が在籍し、民事から企業法務まであらゆる法律問題をサポートしています。 ...

菊池捷男プロに相談してみよう!

山陽新聞社 マイベストプロ

あらゆる法律問題に対処可能

事務所名 : 弁護士法人菊池綜合法律事務所
住所 : 岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL : 086-231-3535

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

086-231-3535

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

菊池捷男(きくちとしお)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
情報公開条例の誤解⑤ コピー代は全額請求するべし

Q 当市の公開条例には,公文書の開示の方法として写し(コピー)を交付する方法を採っており,コピー代として1...

[ 地方行政 ]

情報公開条例の誤解④ 権利がないことと,権利の乱用は違うこと

Q 住民からの公文書の開示請求に応じた後の,公文書の内容に対する質問に対しては,回答する義務のないことは分...

[ 地方行政 ]

情報公開条例の誤解③ 助言義務は説明義務に非ず

Q 当市の公開条例には,第3条 何人も,この条例の定めるところにより,実施機関に対し,当該実施機関の保有す...

[ 地方行政 ]

情報公開条例の誤解➁ 知る権利は,法と条例の制限内の権利なり

Q 情報の開示を請求した住民に,公文書のコピーを交付した後,当該住民から,住民には“知る権利”があるのだから...

[ 契約書 ]

情報公開条例の誤解① 説明義務はない

Q 私はA市の情報公開担当課の者ですが,次のような請求に困っています。アドバイスを御願いいたします。1...

[ 地方行政 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ