コラム

 公開日: 2014-09-15 

公用文の書き方 14 漢字で書く接続詞 「及び」「並びに」「又は」「若しくは」

1 「及び」「並びに」「又は」「若しくは」の4語
 「公用文における漢字使用等について」1(2)オには,前述のように,例をあげて,接続詞は平仮名で書くことと定めています。しかしながら,「ただし,次の4語は,原則として,漢字で書く。及び  並びに  又は  若しくは」との「ただし書」を設けております。

 したがって,「及び」「並びに」「又は」「若しくは」の4語句は,漢字で書かなければなりません。
 何故,これらの語句が漢字で書かれるのか?を,漢字の意味から探るのは,愚かです。これらの接続詞が,漢字で書くこととされたのは,その重要性ゆえの約束事があるからです。

 では,どのような重要性があり,約束事があるのかといいますと,次のとおりです。
 まず,平仮名で書くこととされている他の接続詞は,文と文,文節と文節を接続するもので,その接続詞の後には,必ず読点(,)を打つのに対し,
 「及び」「並びに」「又は」「若しくは」の4語句は,
①名詞(動詞や形容詞など用言の名詞形を含む。本コラムでは以下同じ。)と名詞を結びつけるものであること,
➁その後に読点は付けないこと,
③「及び」と「並びに」は,名詞と名詞を併合的に結びつけ,「又は」「若しくは」は,名詞と名詞を選択的に結合すること,
④結びつけることに段階を設ける場合で,一番小さい段階の名詞と名詞を結合するときは,
 a 併合的な結合では「及び」を,
 b 選択的な併合では「若しくは」を用い,・・・「又は」ではないので注意!
⑤結びつけることに段階を設ける場合で,一番小さい段階以外の段階の名詞と名詞を結合するときは,
 a 併合的な結合では「並びに」を,・・・「及び」ではないので注意!
 b 選択的な結合では「又は」を用いること,
⑥結びつけることに段階を設けない場合は,
 a 併合的な結合は「及び」のみを用い,「並びに」は用いないこと(「及び」のないところで「並びに」は用いない),
 b 選択的な結合では「又は」を用い,「若しくは」は用いないこと(「又は」のないところでは「若しくは」は用いない),
という約束事です。

 このような重要な役目のために,これらの接続詞は,漢字で書くこととされたのです。
本来黒子役の接続詞ですが,これらの語は,その重要性ゆえに,個性の光る歌舞伎役者とされたのです。

この記事を書いたプロ

弁護士法人菊池綜合法律事務所 [ホームページ]

弁護士 菊池捷男

岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL:086-231-3535

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

32

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
菊池綜合法律事務所|菊池捷男弁護士は数多くの民事裁判を手がけてきたエキスパート

法律事務所は決して敷居の高い場所ではありません。(1/3)

 事務所設立以来40年、「うそをつかない、ごまかさない」を信念に、離婚や相続など数多くの民事裁判を手がけてきた菊池捷男さん。現在事務所には菊池さんを筆頭に6人の弁護士が在籍し、民事から企業法務まであらゆる法律問題をサポートしています。 ...

菊池捷男プロに相談してみよう!

山陽新聞社 マイベストプロ

あらゆる法律問題に対処可能

事務所名 : 弁護士法人菊池綜合法律事務所
住所 : 岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL : 086-231-3535

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

086-231-3535

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

菊池捷男(きくちとしお)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
住民監査請求があった場合の、監査委員の心構え

Q 私は、某自治体の監査委員をしている者ですが、住民監査請求書を,受理すべきか,不受理とすべきか,補正を求...

[ 地方行政 ]

建築請負契約における瑕疵認定の基準を定めた裁判例

仙台地裁平成23年1月13日判決は、 請負契約における「瑕疵」とは,“ 完成された仕事が契約で定めら...

[ 建築 ]

道路上の障害物により自転車事故等が生じた場合の責任割合(裁判例紹介)

道路上を自転車等に搭乗して、走行中、道路上の障害物や、道路から駐車場に入るときの障害物に衝突して転倒し人身...

[ 交通事故 ]

「等」と書くか、「など」と書くか?

「等」は、「常用漢字表」では「トウ」という字音と、「ひとしい」という字訓しかなく、「など」や「ら」という字...

[ 法令用語 ]

遺言の権利と相続権 2 現在の欧米及び我が国の遺言制度

1 欧米 遺言の権利を認めていた古代ローマ時代、個々の法律は他の法律との整合性を考えず制定されることが多...

[ 民法雑学 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ