コラム

 公開日: 2014-09-12  最終更新日: 2014-09-18

公用文の書き方 11 法令用語も,平仮名で書く語句が追加されている

 「法令における漢字使用等について」にも,次のような語を,平仮名で書くように定めています。
公用文を書く場合は,これにも従わなければなりません。
一般の人も,これらに従うべきでしょう。そのほうが,より正しく漢字を選択することができるようになると思われるからです。

  虞・恐れ →おそれ
  且つ→かつ
  従つて(接続詞)→したがつて
  外・他  →ほか
  又  →また
  因る→よる
  拘わらず →かかわらず
  此  →この
  之  →これ
  其  →その
  煙草 →たばこ
  為  →ため
  以て →もって
  等(ら) →ら
  猥褻 →わいせつ

 これらの言葉(語)を平仮名で書かなけばならないとした理由は,漢字使用の理由がない。すなわち,漢字が最も効果を現す場面でないから,というほかありません。

  虞
  恐れ →おそれ
の意味は,「虞」の意味で「恐れ」と書くには間違いなので,その場合は「おそれ」と平仮名で書くことを示しているのです。
 漢字の「恐れ」は,恐怖の「恐れ」で,懸念や心配の意味の「虞」ではないからです。
 本来,懸念や心配の意味で「おそれ」と書く場合は「虞」という漢字を使うところですが,常用漢字表には「虞」は掲げられていません。そのため,懸念や心配の意味で「おそれ」と書く場合は,平仮名で書くように定めたのです。
 したがって,恐怖の意味で「恐れ」と書くことは,問題ありません。

 「且つ」には,常用漢字表で,読みも用例もありますが,それ以外の用例はなく,「且」という漢字自体に明確な意味はないというほかありません。副詞であっても,平仮名がふさわしいものと思われます。
  「従つて」は,動詞「従う」の活用形ですから,意味は明瞭です。「従う」という漢字に,直接文章や文節を接続させるという意味はないでしょう。
  「外」は,内の対局にある外ですが,「ほか」という意味はないものと思われます。
  「又」の意味は,二つに分かれて開いている状態(例:木の又・道の又)のことですが,これに付け加える意味の「また」の意味はないか,あっても薄いものと思われます。
  「因る」は,原因の因という字ですので,「それを原因に」という意味の「よる」に当てても不当とまではいえないかもしれませんが,その意味の「よる」も,漢字で書かねばならないほどの重要な場面とは思えず,平仮名がふさわしいと思います。
 「以て」,「此」,「之」,「其」,「その為」及び「等(ら)」といい語も,漢字本来の意味からは遠く離れた使い方をしており,漢字で書くことに違和感を持たせます。これらも平仮名で書くのにふさわしいものと思われます。
 常用漢字表で,「等」に与えられた音字と訓字は「トウ」と「ひとしい」だけです。「など」と読むこともできません。
 「等」を「ら」や「など」と読みたいときは,平仮名で書かねばなりません。

この記事を書いたプロ

弁護士法人菊池綜合法律事務所 [ホームページ]

弁護士 菊池捷男

岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL:086-231-3535

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

4

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
菊池綜合法律事務所|菊池捷男弁護士は数多くの民事裁判を手がけてきたエキスパート

法律事務所は決して敷居の高い場所ではありません。(1/3)

 事務所設立以来40年、「うそをつかない、ごまかさない」を信念に、離婚や相続など数多くの民事裁判を手がけてきた菊池捷男さん。現在事務所には菊池さんを筆頭に6人の弁護士が在籍し、民事から企業法務まであらゆる法律問題をサポートしています。 ...

菊池捷男プロに相談してみよう!

山陽新聞社 マイベストプロ

あらゆる法律問題に対処可能

事務所名 : 弁護士法人菊池綜合法律事務所
住所 : 岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL : 086-231-3535

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

086-231-3535

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

菊池捷男(きくちとしお)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
監査等委員会とは?

1 株式会社の監査機関 平成26年に会社法が改正され、株式会社の監査機関として、「監査等委員会」を設置する...

[ 会社関係法 ]

共同保証人間の求償権の趣旨・消滅時効中断事由に関する初判例

最高裁判所平成27年11月19日判決の紹介時系列的事実関係⑴ 信用保証協会Aと主債務者会社の代表取締役Bが、銀...

[ 民法雑学 ]

労働 時間外労働等に対する割増賃金を年俸に含める旨の合意の有効性について(後半)

 最高裁判所第二小法廷平成29年7月7日判決は、①医療法人と医師との間の雇用契約において時間外労働等に対す...

[ 労働 ]

労働 時間外労働等に対する割増賃金を年俸に含める旨の合意の有効性について(前半)

 最高裁判所第二小法廷平成29年7月7日判決は、医療法人と医師との間の雇用契約において時間外労働等に対する...

[ 労働 ]

信用保証協会、二度目の最高裁判決

またまた、信用保証協会に不利な最高裁判決が出されました。2016-09-14付けコラムで紹介しました最高裁判所第三小...

[ 会社関係法 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ