コラム

 公開日: 2014-07-07  最終更新日: 2016-09-07

法令用語 「ないし」や「乃至」は使わず,「から・・・まで」を使う。

1,乃至(読み:ないし)
意味:法令用語としての意味は,「何々から何々まで」というものです。

用例:刑事訴訟法第69条は「裁判長は、・・・第57条乃至第62条、第65条、第66条及び前条に規定する処分をし・・・」と規定しています。

その意味:「第57条乃至第62条」というのは,57条から62条までの間にある条文の全部を指します。「から・・・まで」の意味です。


2,常用漢字の「乃至」の2つの意味
 常用漢字の「乃至」には,①「から・・・まで」の意味と➁「あるいは」とか「または」の意味があります。
 そのため,前述の刑事訴訟法69条の「第57条乃至第62条」は,「第57条から第62条までの全部の条文」という①の意味に理解せず,➁の「第57条又は第62条」の意味に誤解される危険があります。
 その危険を避けるため,現在,「乃至」は法令用語としては使わないことになりました。

3,法令用語としては,現在使われていない
現在,「から・・・まで」を使う場合は,平仮名で「から・・・まで」と使います。乃至は使いません。
用例:民法118条は「単独行為については、・・・第113条から前条までの規定を準用する。・・・」

4,公用文も「から・・・まで」を使うこと
当然,「乃至」は使わず,「から・・・まで」を使うことになります。

(筆者注:条文内の数字は正しくは漢数字ですが,便宜上,アラビア数字に置き換えています。)

追記:2016.9.6

5,乃至の「乃」は,「常用漢字表」には搭載されていないこと
 乃至の「乃」は,「常用漢字表」には搭載されていません。
遅くとも,平成22年11月30日付け改正「常用漢字表」後,「常用漢字表」に搭載されていない語は,法令用語だけでなく,公用文でも使えませんので,「乃至」は,法令用語としてだけでなく,公用文でも,使えないことになっています。
ですから,公用文の中で,「ないし」という語を使う場合は,平仮名で「ないし」と書くことになります。
 最高裁判所第二小法廷平成平成28年6月3日判決書には,「我が国の慣行ないし法意識に照らして・・・」というように,「ないし」という語は,平仮名で書かれています。

この記事を書いたプロ

弁護士法人菊池綜合法律事務所 [ホームページ]

弁護士 菊池捷男

岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL:086-231-3535

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

60

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
菊池綜合法律事務所|菊池捷男弁護士は数多くの民事裁判を手がけてきたエキスパート

法律事務所は決して敷居の高い場所ではありません。(1/3)

 事務所設立以来40年、「うそをつかない、ごまかさない」を信念に、離婚や相続など数多くの民事裁判を手がけてきた菊池捷男さん。現在事務所には菊池さんを筆頭に6人の弁護士が在籍し、民事から企業法務まであらゆる法律問題をサポートしています。 ...

菊池捷男プロに相談してみよう!

山陽新聞社 マイベストプロ

あらゆる法律問題に対処可能

事務所名 : 弁護士法人菊池綜合法律事務所
住所 : 岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL : 086-231-3535

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

086-231-3535

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

菊池捷男(きくちとしお)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
景品表示法違反② 課徴金制度の導入と初適用事例

優良誤認表示などの不当表示に、課徴金制度が導入されたのは、改正景品表示法の施行日(平成28年4月1日)から...

[ 会社関係法 ]

民法(債権法)改正法が成立

 本日、民法(債権法)に関する改正民法が成立しました。制定以来、約120年ぶりの大改正です。改正は、約200項...

[ 債権法改正と契約実務 ]

景品表示法違反① 合理的根拠資料を持たずして、効果・性能表示をなすなかれ

 不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)は、「不当表示」を禁じています。その一類型である「優良誤認表...

[ 会社関係法 ]

従業員との間の競業避止契約は、代償措置がとられていないと、無効

東京地方裁判所平成28年12月19日判決は、会社が従業員との間で競業避止契約を結び、従業員から退職の申し出...

[ 会社関係法 ]

店舗外観を不正競争保護の対象にした初裁判

東京地方裁判所平成28年12月19日決定(仮処分決定)は、甲社が直接又はフランチャイズ契約により加盟店に営...

[ 会社関係法 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ