コラム

 公開日: 2014-06-21 

公用文用語 11 かえす(かえる)・かかる・かき

1,かえす(返す・帰す)・かえる(返る・帰る)
①帰す(帰る)
意味:(人・動物が)元の場所・状態に戻す(戻る)こと
例 :妻を実家に帰す。客が帰る。電車で帰る。鳥が南の方へ帰って行く。
熟語:帰還(人が帰ること)・帰郷・帰化・回帰・帰結

➁返る(返す)
意味:(人・動物以外の物が)元の場所・状態に戻す(戻る)こと
例 :読み返す。借金を返す。振り返る。初心に返る。
熟語:返還(物を返すこと)・返却・返事・返品

➁混用も多い
例えば「初心にかえる」も,国語辞典によっては,「返る」とするもの,「帰る」とするもの,「かえる」とするものなどまちまちに使われています。
なお,日本新聞協会の「用字用語集」では,領土をかえす場合は「領土を返す」と書き,領土がかえる場合は「領土が帰る」という表記が用いられています。
使い分けが難しいときは,平仮名で書くのが無難でしょう。

③文字によっては意味が違う場合がある
とんぼ返り・・・宙返りのこと(人そのものではなく人の動作が元へもどるので,「返り」になる)
とんぼ帰り・・・目的地へ行き,わずかの時間を経過して後,引き返すこと(人が・・・)

2,かかる(掛かる・懸かる・架かる・係る)
①掛かる(掛ける)
意味:ひっかかること。ぶら下がること
例 :絵が壁に掛かっている。寄り掛かる。ブレーキ-が掛かる。お目に掛かる。仕事に掛かる。声が掛かる。税金が掛かる。しぶきが掛かる。
熟語:掛軸・仕上掛

➁懸かる
意味:高いところに掲げられる。心にかかる
例 :中天に懸かる月,面子が懸かる。命を懸ける(懸命)生活が懸かる。
熟語:懸命・懸念・懸案・懸隔

③架かる(架ける)
意味:かけわたすこと
例 :橋を架ける。ケーブルを架け替える。
熟語:架橋・架空・高架線

④かかる
平仮名を使う理由:漢字を使う場合,明確な基準がないため,平仮名の「かかる(かける)」を使うことが多く,共同通信社の「用字用語集」では,圧力をかける。医者にかかる。力がかかる。など平仮名使用が多くあります。

⑤係る
意味:関係すること
例 :人命に係ること。国家の機密に係る。
単語:係争

3,かき(夏期・夏季)
①夏期
意味:夏季(夏の季節)のうちの一定の期間の意味
熟語:期間・周期・定期・最期・期待

➁夏季
意味:夏の季節の意味
熟語:季刊・季節

③使い分け
「夏期休暇」か,「夏季休暇」かの使い分けについて,休みの期間が一定日から一定日までに決まっている場合は「夏期休暇」を用い,期間が決まっていなくて夏のシーズン中の休暇をいう場合は「夏季休暇」を用いるとされています。
新聞の用字用語集では,期間が定まっているかいないかで表記が変わるのを避けるため,春夏秋冬のすべてを「季」で統一するべきものとしています。

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