コラム

 公開日: 2014-05-30  最終更新日: 2014-08-07

弁護士懲戒⑭ まとめ

1,日弁連懲戒委員会の最終議決
 弁護士が遺言執行者になった場合に,相続人の代理人となって,他の相続人と争うことができるかという問題は,遺言の内容からして遺言執行者に裁量の余地のない場合は,相手方となった相続人の権利を害するおそれはないので,許されることになりますが,遺言執行者に裁量権がある場合は,相手方となった相続人に不利に裁量権限を行使するおそれが生ずるために許されないことになります(日弁連懲戒委員会平成22年5月10日議決)。
 ただし,遺言執行者に裁量権がある場合であっても,その裁量権の行使が,例えば遺留分減殺の順位の指定であるような,相続人間で中立・公平にすることが求められていないときは,相手方となった相続人の権利を保護する必要はないことになりますので,許されるというべきでしょう。
 
2,単位会ではまだ不統一
 しかしながら,単位弁護士会での懲戒委員会の中には,旧倫理時代の無条件懲戒肯定説を金科玉条として,遺言の内容からして遺言執行者に裁量の余地のない場合でも,無条件に懲戒になるとする議決をしているところがあります。
 いずれこの問題は,単位弁護士会でも,日弁連懲戒委員会平成22年5月10日議決に収斂することになると思われますが,時間がかかるのかもしれません。

以上で,本連載コラムは終わらせていただきます。
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