コラム

 公開日: 2014-03-10  最終更新日: 2014-03-12

使用者のための労働問題 降格と減給

Q セクハラをした会社幹部を,人事権の行使として降格にしたところ,降格後の地位では従前の給与が得られず減給になりますが,減給にできるのですか?

A 事案によっては可能です。

1,降格は可能
東京地裁平成26年1月14日判決は,会社の業務全般を統括するGMの地位にある従業員が,セクハラ行為をしたことから,会社が,その従業員には会社の業務全般を統括する適格性が欠けると判断し,GMからマネージャーに降格にしたことを,裁量権の逸脱は認められないとして有効と判示しました。
したがって,セクハラをした幹部につき,そのポストに置いておく適格性がないと判断するときは,降格は可能です。

2,職能給が減額になるのは,当然の措置であり,問題はない。
前記判決は,セクハラをした従業員を,GMからマネージャーに降格することによって,職能給がGMの職能給からマネージャーの職能給になったが,これは降格に伴う当然の措置である,と判示しました。

3,裁量権がある場合
前記判決は,マネージャーに支給される職能給にはランクがある場合,会社が,どのランクの金額を支給するかは会社の裁量権に委ねられているので,そのランクのうち最低ランクの職能給しか支給されない場合でも,当然に違法になるものではない。この事件では,セクハラをした元GMの月の減給額は22万円になったが,マネージャーとしての職能給を最低ランクに減額されたことが会社の裁量権の限度を超えるといいたいのならば,裁量の逸脱があったと認めるに足りる事情を,元GMは具体的に主張立証しなければならない,と判示しました。

この記事を書いたプロ

弁護士法人菊池綜合法律事務所 [ホームページ]

弁護士 菊池捷男

岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL:086-231-3535

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

2

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
菊池綜合法律事務所|菊池捷男弁護士は数多くの民事裁判を手がけてきたエキスパート

法律事務所は決して敷居の高い場所ではありません。(1/3)

 事務所設立以来40年、「うそをつかない、ごまかさない」を信念に、離婚や相続など数多くの民事裁判を手がけてきた菊池捷男さん。現在事務所には菊池さんを筆頭に6人の弁護士が在籍し、民事から企業法務まであらゆる法律問題をサポートしています。 ...

菊池捷男プロに相談してみよう!

山陽新聞社 マイベストプロ

あらゆる法律問題に対処可能

事務所名 : 弁護士法人菊池綜合法律事務所
住所 : 岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL : 086-231-3535

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

086-231-3535

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

菊池捷男(きくちとしお)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
宅建業者(売主)が不動産売買契約を結ぶ場合の特約の有効性

1 中古住宅販売の売買契約(1)瑕疵担保免責約款  ア 買主が宅建業者の場合 有効  イ 買主が個人...

[ 不動産 ]

宅建業者(売主)がする売買契約締結等の時期の制限

宅建業法36条1項は、「宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前においては、当該工事に...

[ 不動産 ]

大切にしたいもの 徳義

正直であること、嘘をつかないこと、ごまかさないことは、人が人として生き抜くうえで、最も重要な徳目であると思...

[ 大切にしたいもの ]

大切にしたいもの 友

 刎頸(ふんけい)の友という言葉があります。その友のためなら、たとえ首を切られても、悔いないくらいの友、と...

[ 大切にしたいもの ]

不動産の売買に伴い、LPガス供給に関する契約を、買主に承継させるための契約条項

これは、LPガス供給に関する契約上の地位を、不動産の買主に譲渡する契約になります。不動産の売買契約を媒介...

[ 契約書 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ