コラム

 公開日: 2014-02-13 

不動産 手付契約の性質

Q 
私は,不動産売買契約の売主です。
売買契約書では,手付金を100万円支払ってもらうことにしているのですが,実際には50万円しか受け取っていません。残りの50万円は1週間後に支払ってもらうことにしました。
この場合,買主が,手付を放棄して売買契約を解除すると言ったときは,残りの50万円は支払ってもらえるのですか?

A 
残りの50万円は支払ってもらえません(大阪高判昭58.11.30)。
民法557条1項は「買主が売主に手付を交付したときは、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を償還して、契約の解除をすることができる。」と規定しているように,手付契約は,手付を交付することで成立する要物契約です。ですから,買主が売主に交付した金額の範囲でしか手付契約は成立しないのです。
なお,要物契約とは,物の交付を必要とする契約という意味です。反対に物の交付を要せず,約束だけで効果が生ずる契約を「諾成契約」といいます。承諾するだけで,つまり意思表示だけで,成立する契約という意味になります。

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