コラム

 公開日: 2014-01-09 

契約書知識 18 会社の内部統制システムと契約書

1,取締役会設置会社は、内部統制システムの構築義務がある
取締役会設置会社の取締役会は、会社法362条4項6号により「取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備」が義務づけられていますが、法務省令で定める体制の整備とは、会社法施行規則100条1項各号の体制の整備をいいます。その内容は
① 取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制、
② 損失の危険の管理に関する規程その他の体制、
③ 取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制、
④ 使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制、 
⑤ 当該株式会社並びにその親会社及び子会社から成る企業集団における業務の適 正を確保するための体制
です。

2,契約書の作成・審査と内部統制システム
契約書の作成目的は、契約の内容を明確にすることによって紛争を予防し(紛争の予防)、紛争に発展して裁判になったときの証拠にすること(証拠化)です。ですから、次に述べる契約書の作成やチェックや審査は、会社の内部統制システムの②に該当するともいえます。

3,契約書に関与する弁護士の態様
弁護士が契約書の作成やチェックに関与する場合は、次の三態様になると思われます。
(1)契約書のチェック
・・・依頼人(顧問会社。社内弁護士の場合は会社の担当部署)から提供された契約書のみを見て、それに内在するリスクや問題点を指摘しつつ、契約書の文言のチェック(加除訂正)をすること。

(2)契約書の審査
・・・契約書に内在するリスクや問題点を指摘し、依頼人作成の契約書の場合は、より有利な契約条項を提案し、取引の相手方が提案した契約書の場合は、妥協できるものとできないものを区分し、妥協せざるを得ない条項があるときは、少しでも有利な条項に変更するか、有利な条項を新たに作るなどの提案をすること。
(3)契約書の作成
・・・はじめから、依頼人が希望する契約書(案)を作ること

4,会社に求められる契約書審査体制
会社には、会社法施行規則100条1項2号の体制の整備の一貫として、少なくとも顧問弁護士又は社内弁護士による契約書を審査できる体制はとる必要があると思われます。

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