コラム

 公開日: 2013-12-27  最終更新日: 2016-03-15

民法雑学 結ぶべきは、賃貸借契約か使用貸借契約か?

Q 質問
 地域の住民の好意により、当地区(部落。地方自治法上の法人)が土地を借りて公民館を建築することになりましたが、土地の使用は、賃貸借契約によって結ぶべきか、使用貸借契約によって結ぶべきが迷っています。それぞれのメリット、デメリットを教えてください。
A 
1,賃貸借契約契約と使用貸借契約の違い
  賃貸借契約は賃料を支払って土地を借りる契約、使用貸借は、無償で土地を借りる契約ですが、当事者間で定めた金額が、極端に低廉であって「土地の使用収益の対価」として意味を持つと認められない場合には,有償とはいえないと解されています。例えば,最判昭和35年4月12日は,通常の家賃に比べて20分の1ほどの額(毎月1000円)で妻の叔父に建物を使用させていた事案で,当該支払は「謝礼」であるとして,使用貸借であると判示しています。また,最判昭和41年10月27日は,固定資産税を支払うとの合意があった事案(固定資産税の税額が適正賃料の4分の1程度)において,当該不動産の使用関係を使用貸借であると判示しています。

2,期間の保障
 前述のように、賃貸借契約と使用貸借契約の違いは、賃料の支払い義務がある(賃貸借契約の場合)か、無償で土地を使用できる(使用貸借の場合)かの違いですが、期間については、土地賃貸借契約の場合には借地借家法の適用があり、使用貸借契約の場合には借地借家法の適用はありません。
借地借家法の適用がある土地賃貸借契約は、最初の賃貸借契約期間は30年以上と定められており(借地借家法3条)契約機関満了後、契約の更新が可能です。他方,使用貸借契約は,借地借家法の適用を受けることはできませんが、質問のようねケースでは、建物の耐用年数一杯は借りることができますので、賃貸借契約と使用貸借契約とで期間の点は大きくは変わらないものと考えられます。

この記事を書いたプロ

弁護士法人菊池綜合法律事務所 [ホームページ]

弁護士 菊池捷男

岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL:086-231-3535

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

8

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
菊池綜合法律事務所|菊池捷男弁護士は数多くの民事裁判を手がけてきたエキスパート

法律事務所は決して敷居の高い場所ではありません。(1/3)

 事務所設立以来40年、「うそをつかない、ごまかさない」を信念に、離婚や相続など数多くの民事裁判を手がけてきた菊池捷男さん。現在事務所には菊池さんを筆頭に6人の弁護士が在籍し、民事から企業法務まであらゆる法律問題をサポートしています。 ...

菊池捷男プロに相談してみよう!

山陽新聞社 マイベストプロ

あらゆる法律問題に対処可能

事務所名 : 弁護士法人菊池綜合法律事務所
住所 : 岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL : 086-231-3535

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

086-231-3535

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

菊池捷男(きくちとしお)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
これからの契約実務④ 金銭消費貸借契約では,諾成的契約が可能になる

現行法の下では、金銭消費貸借契約は、要物契約、つまりは、現金を交付することで成立する契約になっていますが、...

[ 債権法改正と契約実務 ]

これからの契約実務③ 自殺の履歴が契約解除の理由になる

現行法にあっては、契約を解除するには、債務者の帰責性(故意又は過失)が必要です(民法543条ただし書)。しか...

[ 債権法改正と契約実務 ]

これからの契約実務② 「契約の内容」の書き方

目的や動機、契約に至る経緯を書くことの重要性これは、以前(2014-01-06)、コラムに書いたことですが、 最高...

[ 債権法改正と契約実務 ]

宅建業者の重要事項説明義務違反の一事例 税制度の説明の過誤

 東京地裁昭和49年12月6日判決は、不動産の所有者である甲(大学教授)に対し、同人が所有する土地(固定資産)...

[ 不動産 ]

これからの契約実務① 客観的「瑕疵」基準から主観的な「契約の内容」基準に

現在国会で審議中の民法(債権法)改正案は、契約当事者の意思が重要視されています。一例として、改正民法案562...

[ 債権法改正と契約実務 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ