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 公開日: 2013-12-27  最終更新日: 2016-03-15

民法雑学 ライフラインの停止は可能か?

Q  水道、電気、ガス、の供給契約は、生活必需のサービス提供契約ですが、その使用料金を支払わない場合は、供給契約が簡単に解除あるいはサービスの停止ができるのでしょうか?

A 
1,水道の場合
水道法第14条第1項,第15条第3項は「水道事業者は,当該水道により給水を受ける者が料金を支払わないとき,正当な理由なしに給水装置の検査を拒んだとき,その他正当な理由があるときは,前項本文の規定にかかわらず,その理由が継続する間,供給規程の定めるところにより,その者に対する給水を停止することができる。」と規定しています。
この規定から,水道料金の支払いがなされなかった場合には,給水を停止することができます。

2,電気の場合
電気事業法第18条第1項では,「一般電気事業者は,正当な理由がなければ,その供給区域における一般の需要(事業開始地点における需要及び特定規模需要を除く。)に応ずる電気の供給を拒んではならない。」とされています。この条文に記載されている「正当な理由」の内容は法律上規定されていませんが,裁判例では水道法の規定に準じて、①供給することが不可抗力や物理的に不可能な場合,②料金不払い等供給を受ける側に供給契約関係の基礎を失わせるような事情がある場合を供給停止の理由として考えています(東京地裁昭和57年10月4日判決)。
また,環境省の公表している「一般電気事業者の電力供給義務について」は,契約の解除に関する「正当な理由」としては,①料金を長期にわたって滞納する者に対する場合,②供給約款等に違反する条件で電気を使用しようとする者に対する場合が具体例として挙げています。

3,都市ガス及びLPガスの場合
都市ガスの供給事業に関して適用されるガス事業法16条は「一般ガス事業者は、正当な理由がなければ、その供給区域又は供給地点における一般の需要に応ずるガスの供給を拒んではならない。」と規定しております。これによりますと、正当な理由があれば、ガスの供給を停止することができることになります。ガス料金を長期にわたって滞納する者に対しては、供給停止ができるものと解されます。LPガスについて適用される液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(昭和42年法第149号)には,水道法や電気事業法と同様の規定はありませんが、これも、水道や電気の供給停止の場合と同様に考えることができます。
なお、公益社団法人神奈川県LPガス協会のホームページによりますと、供給停止は14条書面又は販売契約書の条項に基づき,一般的には2,3カ月以上にわたってLPガス代金の支払いが滞った場合に行われる扱いになっているとのことです。

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