コラム

 公開日: 2013-09-17 

自治体のする契約 4 一般廃棄物(ゴミ等)の民間委託契約

1,私法上の契約とするのが最近の裁判例
一般廃棄物の処理は、廃掃法によって市町村の義務とされていますが、これを民間の業者に委託することができ、通常、民間の会社が処理や運搬を請け負っています。
この契約は古くは公法上の契約だとする説もありましたが、最近では私法上の契約と解されています(横浜地裁平成12.3.29判決や東京地裁平成19.11.30判決)

2,私法上の契約と地方自治法法上の制約
地方自治法234条1項は、売買、貸借、請負その他の私法上の契約を結ぶ場合は、①一般競争入札、②指名競争入札、③随意契約又は④せり売りの方法により締結しなければならないことを定めていますが、原則的な方法は、①一般競争入札です。
すなわち、同条2項は、一般競争入札以外の②指名競争入札、③随意契約又は④せり売りは、政令で定める場合に該当するときに限り、できることとされているのです。

3,随意契約を結ぶことができる場合
随意契約を結ぶことができるのは、地方自治法施行令167条の2第1項に規定されていますが、その中に「(契約)の性質又は目的が競争入札に適しないものをするとき」は随意契約でよいとする規定があります。

4,随意契約に関する判例の解釈
 最高裁昭和62年3月20日判決は、「契約の性質又は目的が競争入札に適しないものをするとき」については、「競争入札の方法によること自体が不可能又は著しく困難とはいえないが、不特定多数の者の参加を求め競争原理に基づいて契約の相手方を決定することが必ずしも適当ではなく、当該契約自体では多少とも価格の有利性を犠牲にする結果になるとしても、普通地方公共団体において当該契約の目的、内容に照らしそれに相応する資力、信用、技術、経験等を有する相手方を選定しその者との間で契約の締結をするという方法をとるのが当該契約の性質に照らし又はその目的を究極的に達成する上でより妥当であり、ひいては当該普通地方公共団体の利益の増進につながると合理的に判断される場合も同項1号に掲げる場合に該当するものと解すべきである。」と判示しています。

5,民間業者への一般廃棄物の処理委託契約と随意契約
前記横浜地裁平成12.3.29判決や東京地裁平成19.11.30判決は、一般廃棄物の処理を民間に委託する契約について、当該事案の内容を詳細の検討した結果、随意契約にしたことに裁量権の乱用はなかったので違法では無いとしていますが、一般的には指名競争入札によるものが多いのが現状です。

この記事を書いたプロ

弁護士法人菊池綜合法律事務所 [ホームページ]

弁護士 菊池捷男

岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL:086-231-3535

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

3

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
菊池綜合法律事務所|菊池捷男弁護士は数多くの民事裁判を手がけてきたエキスパート

法律事務所は決して敷居の高い場所ではありません。(1/3)

 事務所設立以来40年、「うそをつかない、ごまかさない」を信念に、離婚や相続など数多くの民事裁判を手がけてきた菊池捷男さん。現在事務所には菊池さんを筆頭に6人の弁護士が在籍し、民事から企業法務まであらゆる法律問題をサポートしています。 ...

菊池捷男プロに相談してみよう!

山陽新聞社 マイベストプロ

あらゆる法律問題に対処可能

事務所名 : 弁護士法人菊池綜合法律事務所
住所 : 岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL : 086-231-3535

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

086-231-3535

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

菊池捷男(きくちとしお)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
道徳経済合一説

これは、渋沢栄一の持論とされている考え方です。ここで、道徳というのは、論語の教えのことです。渋沢栄一は...

[ 格言や歴史上の偉人の言葉に学ぶ ]

割増賃金の定額化に関する判例後の通達

すでに本コラムで紹介しました割増賃金の定額化に関する、最高裁判所平成29年7月7日判決を踏まえた通達が、同月31...

[ 労働 ]

大切にしたいもの 一能

吉川英治が描く、「私本太平記」の中に、楠正成が、一人の仮面師(めんし=鑿(のみ)を使って人の顔をつくる者) ...

[ 大切にしたいもの ]

特別の利害関係のある取締役が、取締役会決議に関わった場合の取締役会決議の効果

問題会社法369条は「取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数(これを上回る割合を定款で定め...

[ 菊池と後藤の法律実務レポート(企業編) ]

就業規則の一括届出制度について

1 就業規則の届出義務は、事業場ごとに。労働基準法89条は、「常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に...

[ 労働 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ