コラム

 公開日: 2013-09-10 

自治体のする契約 1 契約の意味と効果

1,契約とは法律効果を発生させる合意なり
民法555条は「売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。」と規定していますが、ここでいう「売買」は「売買契約」のことです。
つまり、売買契約は、売主から買主に財産権が移転するという効果(法律効果)と買主から売主に対し代金を支払う義務が発生するという効果を発生させるための合意をいいます。

2,契約自由の原則とその制約
契約を結ぶか結ばないか、結ぶ場合にどのような内容の契約にするかは、契約当事者が自由に決めることができる、というのが契約自由の原則です。
しかし、民法90条は「公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする。」と規定して、公序良俗に反する契約は無効になると規定しています。
また独占禁止法3条は「事業者は、私的独占又は不当な取引制限をしてはならない。」と規定していますが、独禁法に反する契約は無効になると解されています。
さらに、借地借家法9条に「この節の規定に反する特約で借地権者に不利となるものは無効とする」との規定があるように、強行法規に違反する契約も無効になります。

自治体のする契約も当然このような制約を受けます。
参照
・東京高裁平成13.2.7判決は、贈収賄による契約は民法90条により無効になると判示
・最高裁平成20.1.18判決は、土地開発公社と自治体との売買契約が地方財政法に違反している場合は無効になると判示(ただし、この判決は大阪高裁判決の差戻し判決で、差戻し後大阪高裁で審理再開、同高裁の判決を経て、最高裁平成21.12.17判決は、この件は地方財政法に違反していないとして住民を敗訴させた)


また、自治体のする契約には、契約の方法等についても制約も受けます。
すなわち、
自治体が当事者となる契約は、地方自治法234条1項の「売買、貸借、請負その他の契約は、一般競争入札、指名競争入札、随意契約又はせり売りの方法により締結するものとする。」等の制約を受けているのです。


この記事を書いたプロ

弁護士法人菊池綜合法律事務所 [ホームページ]

弁護士 菊池捷男

岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL:086-231-3535

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

2

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
菊池綜合法律事務所|菊池捷男弁護士は数多くの民事裁判を手がけてきたエキスパート

法律事務所は決して敷居の高い場所ではありません。(1/3)

 事務所設立以来40年、「うそをつかない、ごまかさない」を信念に、離婚や相続など数多くの民事裁判を手がけてきた菊池捷男さん。現在事務所には菊池さんを筆頭に6人の弁護士が在籍し、民事から企業法務まであらゆる法律問題をサポートしています。 ...

菊池捷男プロに相談してみよう!

山陽新聞社 マイベストプロ

あらゆる法律問題に対処可能

事務所名 : 弁護士法人菊池綜合法律事務所
住所 : 岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL : 086-231-3535

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

086-231-3535

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

菊池捷男(きくちとしお)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
景品表示法違反② 課徴金制度の導入と初適用事例

優良誤認表示などの不当表示に、課徴金制度が導入されたのは、改正景品表示法の施行日(平成28年4月1日)から...

[ 会社関係法 ]

民法(債権法)改正法が成立

 本日、民法(債権法)に関する改正民法が成立しました。制定以来、約120年ぶりの大改正です。改正は、約200項...

[ 債権法改正と契約実務 ]

景品表示法違反① 合理的根拠資料を持たずして、効果・性能表示をなすなかれ

 不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)は、「不当表示」を禁じています。その一類型である「優良誤認表...

[ 会社関係法 ]

従業員との間の競業避止契約は、代償措置がとられていないと、無効

東京地方裁判所平成28年12月19日判決は、会社が従業員との間で競業避止契約を結び、従業員から退職の申し出...

[ 会社関係法 ]

店舗外観を不正競争保護の対象にした初裁判

東京地方裁判所平成28年12月19日決定(仮処分決定)は、甲社が直接又はフランチャイズ契約により加盟店に営...

[ 会社関係法 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ