コラム

 公開日: 2010-09-24 

相続 20 死亡退職金


1相続財産ではない
死亡退職金も、相続財産ではありません。これも、被相続人の生前からあった財産ではなく、被相続人が死亡した後で発生するものだから、理論上も当然のことです。死亡退職金は、退職金支給の趣旨から特定の者に帰属させる性質のものであって、相続財産にはならないというのが判例です。
通常、死亡退職金の受給者は、会社の規定や法律で定められていますので、受給者が争いになることは少ないと思われますが、ある学校法人が、死亡退職金は「遺族」に支給すると規程で定めていたため、「遺族」とは具体的には誰を指すのか、が問題になったケースがあります。
最高裁昭和60.1.31判決は、死亡退職金は、「遺族にこれを支給する」とのみ、規程で定めている場合において、同規程は専ら職員の収入に依拠していた遺族の生活保障を目的とし、民法上の相続とは別の立場で死亡退職金の受給権者を定めたものであつて、受給権者たる遺族の具体的な範囲及び順序については、私立学校教職員共済組合法25条(昭和54年法律第74号による改正前のもの。)及び国家公務員共済組合法2条、43条の定めるところを当然の前提としていたのであるから、それらの法条の定めるところによるべきであるとして、右遺族の第1順位は職員の死亡の当時主としてその収入により生計を維持していた配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)と解すべきであると判示しています。
2特別受益か?
死亡退職金は、生命保険金に近いものであるから、原則として特別受益生を否定するべきだとする見解と、退職金は賃金の後払い的性格を有するのであるから、遺産に類似するので、特別受益生を肯定するべきだとする見解があります。

この記事を書いたプロ

弁護士法人菊池綜合法律事務所 [ホームページ]

弁護士 菊池捷男

岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL:086-231-3535

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0
<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
菊池綜合法律事務所|菊池捷男弁護士は数多くの民事裁判を手がけてきたエキスパート

法律事務所は決して敷居の高い場所ではありません。(1/3)

 事務所設立以来40年、「うそをつかない、ごまかさない」を信念に、離婚や相続など数多くの民事裁判を手がけてきた菊池捷男さん。現在事務所には菊池さんを筆頭に6人の弁護士が在籍し、民事から企業法務まであらゆる法律問題をサポートしています。 ...

菊池捷男プロに相談してみよう!

山陽新聞社 マイベストプロ

あらゆる法律問題に対処可能

事務所名 : 弁護士法人菊池綜合法律事務所
住所 : 岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL : 086-231-3535

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

086-231-3535

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

菊池捷男(きくちとしお)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
遺産分割判例法理 「遺産分割による代償譲渡」は有効

法務局で登記手続をする場合,先例がないときは,容易に認めてもらえません。下記の事案も,そうで,家庭裁判所で...

[ 相続判例法理 ]

遺産分割判例法理⑦ 財産全部についての遺産の分割の方法を定めた遺言は債務に及ぶ 

 民法899条は,「各共同相続人は、その相続分に応じて被相続人の権利義務を承継する。」と規定していますが,ここ...

[ 相続判例法理 ]

遺産分割判例法理⑥ 遺産分割の方法を定めた遺言の効力は代襲相続人に及ばない

遺言書の効果は,遺言書に書かれた文言に限られます。長男に全財産を「相続させる」と遺言書を書いた場合で,そ...

[ 相続判例法理 ]

遺産分割判例法理⑤ 相続放棄は詐害行為にならない

 しかしながら,相続放棄は,詐害行為になりません。下記の判例があるからです。 ですから,遺産分割協議で...

[ 相続判例法理 ]

遺産分割判例法理④ 遺産分割協議は詐害行為になりうる 

 債務が多くあり,遺産を相続しても債権者に差し押さえられると考え,遺産分割においては取得できる具体的相続分...

[ 相続判例法理 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ