コラム

 公開日: 2013-05-19  最終更新日: 2013-05-22

相続税のお話し 5 相続税の計算

Step 1 各相続人等(相続人・受遺者)の課税価格の計算
ア)相続又は遺贈により取得した財産の価額 + みなし相続等により取得した財産の価額 - 非課税財産の価額 + 相続時精算課税に係る贈与財産の価額(注:贈与時の価額) - 債務及び葬式費用の額 = 純資産価額
イ)純資産価額 + 相続開始前3年以内の贈与財産の価額(注:暦年課税に係る贈与に限る) = 各相続人等(相続人・受遺者)の課税価格(注:千円未満切り捨て)
*注 ここでは、被相続人から相続又は遺贈により財産を取得した人ごとに、課税価格を算出しますので、各相続人等の意味は、相続人と受遺者のことになります。

Step 2 相続税の総額の計算
ウ)各相続人等の課税価格を合計する = 課税価格の合計額
エ)課税価格の合計額 - 基礎控除額 = 課税遺産総額
オ)課税遺産総額を、各相続人が、法定相続分で分けた場合の、各相続人の取得額を算出
カ)各相続人の取得額 × 税率 = 算出税額
キ)相続人ごとの算出税額を合計する = 相続税の総額
*注 この相続税の総額の計算では、相続人や受遺者が取得した財産の課税価格の合計額を、全相続人が法定相続分で分け合うことを前提にして計算します。

Step 3 各相続人等の相続税額の計算
ク)相続税の総額 × 各相続人等の課税価格 ÷ 課税価格の合計額 = 各相続人等の相続税額
*注 ここでは、相続税の総額を、財産を取得した相続人及び受遺者全員に、取得した財産の価額に案分して、振り分ける計算をするのです。

Step 4 各人の納付税額の計算
ケ)各相続人等の相続税額 + 2割加算(注①) - 相続開始3年以内の贈与で納付した贈与税額 - 配偶者の税額軽減規定による金額 - 未成年者控除 - 障害者控除 - 相次相続控除 - 外国税額控除 = 各人の控除後の税額(注:赤字の場合は0)
コ)各人の控除後の税額 - 相続時精算課税贈与に係る贈与税額 = 各人の納付税額
*注①の2割加算は、相続税額を2割り増やす計算ですが、配偶者、父母、子(代襲者を含む)についてはしません。ただし、養子は、2割加算の対象になります。ですから、孫が財産を取得する場合、それが子の代襲相続人として取得するときは、2割加算はされませんが、養子として相続したとき、及び、受遺者として遺贈を受けたときは、2割加算されます。

例示
【前提】
相続人・・・妻・長男、長女の3人(ただし、長男は成人に達しているが、長女は18才)
・相続財産・・・3億円
・債務・・・1800万円
・葬儀費用・・・200万円
したがって、
・課税価格の総額・・・2憶8000万円
・遺産分割の結果・・・妻は、債務・葬儀費用の負担額を除いた正味の価格で1憶5400万円相当の財産、長男は7000万円相当の財産、長女5600万円相当の財産を取得
・みなし相続財産、3年以内の贈与財産、非課税財産、相続開始時清算贈与・・・ない
これを前提に計算すると、
【計算】
⑴課税価格の総額は、相続財産3億円-債務・葬儀費用2000万円=2憶8000万円
⑵課税遺産総額は、2憶8000万円-基礎控除額(5000万円+相続人3名×1000万円)=2億円
⑶相続税の総額を算出するための計算
①2億円に対する法定相続分相当額は、
妻・・・1億円
長男、長女とも5000万円
②相続税の税率を適用すると
妻・・・2300万円
長男と長女は、各800万円
③相続税の総額は②の合計額なので3900万円
⑷相続税の総額を課税遺産額2憶8000万円の各相続人の取得額に応じて配分すると、
妻は、遺産分割で1憶5400万円(55%)、長男は同じく7000万円相当の財産(25%)、長女は同じく5600万円相当の財産(20%)を取得しているので、
妻の相続税額・・・3900万円×55/100=2145万円
長男は3900万円×25/100=975万円
長女は3900万円×20/100=780万円
⑸ここから相続人ごとの税額控除をすると、
妻の⑷における取得額1憶5400万円は、配偶者控除額(法定相続分相当額か1憶6000万円のうちの多い方の金額)である1憶6000万円より少ないので、相続税は課せられず、したがって、0円
長男は、税額控除はないので、975万円
長女は未成年者控除があるので、6万円(計算省略)が控除され、774万円になります。



この記事を書いたプロ

弁護士法人菊池綜合法律事務所 [ホームページ]

弁護士 菊池捷男

岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL:086-231-3535

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

1

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
菊池綜合法律事務所|菊池捷男弁護士は数多くの民事裁判を手がけてきたエキスパート

法律事務所は決して敷居の高い場所ではありません。(1/3)

 事務所設立以来40年、「うそをつかない、ごまかさない」を信念に、離婚や相続など数多くの民事裁判を手がけてきた菊池捷男さん。現在事務所には菊池さんを筆頭に6人の弁護士が在籍し、民事から企業法務まであらゆる法律問題をサポートしています。 ...

菊池捷男プロに相談してみよう!

山陽新聞社 マイベストプロ

あらゆる法律問題に対処可能

事務所名 : 弁護士法人菊池綜合法律事務所
住所 : 岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL : 086-231-3535

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

086-231-3535

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

菊池捷男(きくちとしお)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
情報公開条例の誤解⑤ コピー代は全額請求するべし

Q 当市の公開条例には,公文書の開示の方法として写し(コピー)を交付する方法を採っており,コピー代として1...

[ 地方行政 ]

情報公開条例の誤解④ 権利がないことと,権利の乱用は違うこと

Q 住民からの公文書の開示請求に応じた後の,公文書の内容に対する質問に対しては,回答する義務のないことは分...

[ 地方行政 ]

情報公開条例の誤解③ 助言義務は説明義務に非ず

Q 当市の公開条例には,第3条 何人も,この条例の定めるところにより,実施機関に対し,当該実施機関の保有す...

[ 地方行政 ]

情報公開条例の誤解➁ 知る権利は,法と条例の制限内の権利なり

Q 情報の開示を請求した住民に,公文書のコピーを交付した後,当該住民から,住民には“知る権利”があるのだから...

[ 契約書 ]

情報公開条例の誤解① 説明義務はない

Q 私はA市の情報公開担当課の者ですが,次のような請求に困っています。アドバイスを御願いいたします。1...

[ 地方行政 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ