コラム

 公開日: 2013-03-09 

地方行政 4 行政財産の目的外使用許可から賃貸借契約締結へ

例えば、庁舎の一部にファーストフード店の経営を許す場合、使用許可から賃貸借契約への移行は可能か?

1行政財産
地方自治法238条は、公有財産(普通地方公共団体の所有に属する財産のうち不動産その他同条1項各号に定めたもの)を、行政財産と普通財産とに分類していますが、そのうちの行政財産とは、普通地方公共団体において公用又は公共用に供し、又は供することと決定した財産をいい、普通財産とは、行政財産以外の一切の公有財産をいう、とされています(3項、4項)。

2貸し付けなどの処分に関する規制
行政財産は、原則として、これを貸し付け、交換し、売り払い、譲与し、出資の目的とし、若しくは信託し、又はこれに私権を設定することができませんが、地方自治法238条の4第1項各号の場合には貸付などができます。

3(目的外)使用許可の要件
行政財産は、その用途又は目的を妨げない限度においてその使用を許可することができますが(これを「目的外使用許可」といいます。地方自治法238条の4の7項)、使用許可は、期間の延長は認められるものの、通常1年以内の短い期間になっている他、借地借家法は適用されません(8項)ので、貸し付けに比べ、権利としての性格は弱いものになります。

4建物の一部の貸し付け
平成18年の地方自治法の改正(地方自治法238条の4第2項。それを受けて地方自治法施行指令169条の3)により、庁舎等の床面積又は敷地のうち、当該普通地方公共団体の事務又は事業の遂行に関し現に使用され、又は使用されることが確実であると見込まれる部分以外の部分がある場合(要は余裕のある部分)には、これを貸し付けることができることになりました。建物の貸し付けをすると借地借家法の適用を受けることになり、借主の地位は、使用許可を得るにすぎない場合に比べ、安定します。

庁舎の一部にファーストフード店の経営を許す場合、従前は、目的外使用許可を与えていたにすぎなかった関係を、賃貸借契約に改めること等が可能になったのです。
貸付契約の締結は、一般競争を原則としますが、指名競争入札や随意契約もあります。

この記事を書いたプロ

弁護士法人菊池綜合法律事務所 [ホームページ]

弁護士 菊池捷男

岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL:086-231-3535

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

11

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
菊池綜合法律事務所|菊池捷男弁護士は数多くの民事裁判を手がけてきたエキスパート

法律事務所は決して敷居の高い場所ではありません。(1/3)

 事務所設立以来40年、「うそをつかない、ごまかさない」を信念に、離婚や相続など数多くの民事裁判を手がけてきた菊池捷男さん。現在事務所には菊池さんを筆頭に6人の弁護士が在籍し、民事から企業法務まであらゆる法律問題をサポートしています。 ...

菊池捷男プロに相談してみよう!

山陽新聞社 マイベストプロ

あらゆる法律問題に対処可能

事務所名 : 弁護士法人菊池綜合法律事務所
住所 : 岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL : 086-231-3535

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

086-231-3535

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

菊池捷男(きくちとしお)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
道徳経済合一説

これは、渋沢栄一の持論とされている考え方です。ここで、道徳というのは、論語の教えのことです。渋沢栄一は...

[ 格言や歴史上の偉人の言葉に学ぶ ]

割増賃金の定額化に関する判例後の通達

すでに本コラムで紹介しました割増賃金の定額化に関する、最高裁判所平成29年7月7日判決を踏まえた通達が、同月31...

[ 労働 ]

大切にしたいもの 一能

吉川英治が描く、「私本太平記」の中に、楠正成が、一人の仮面師(めんし=鑿(のみ)を使って人の顔をつくる者) ...

[ 大切にしたいもの ]

特別の利害関係のある取締役が、取締役会決議に関わった場合の取締役会決議の効果

問題会社法369条は「取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数(これを上回る割合を定款で定め...

[ 菊池と後藤の法律実務レポート(企業編) ]

就業規則の一括届出制度について

1 就業規則の届出義務は、事業場ごとに。労働基準法89条は、「常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に...

[ 労働 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ