コラム

2013-02-13

建築 17 建て替え費用が請求できる場合

1民法635条但し書き
民法635条は「仕事の目的物に瑕疵があり、そのために契約をした目的を達することができないときは、注文者は、契約の解除をすることができる。ただし、建物その他の土地の工作物については、この限りでない。」と規定しています。
これによりますと、建物の建築契約の場合、建物の瑕疵があって契約した目的を達することができないときでも、契約の解除は出来ないことになります。

2但し書きの趣旨
最高裁平成14.9.24判決は、これに関して
「請負契約の目的物が建物その他土地の工作物である場合に,目的物の瑕疵により契約の目的を達成することができないからといって契約の解除を認めるときは,何らかの利用価値があっても請負人は土地からその工作物を除去しなければならず,請負人にとって過酷で,かつ,社会経済的な損失も大きいことから,民法635条は,そのただし書において,建物その他土地の工作物を目的とする請負契約については目的物の瑕疵によって契約を解除することができないとした。」ものだと解しています。

3建て替え費用の請求は認められる
前記最高裁判決は、「しかし,請負人が建築した建物に重大な瑕疵があって建て替えるほかはない場合に,当該建物を収去することは社会経済的に大きな損失をもたらすものではなく,また,そのような建物を建て替えてこれに要する費用を請負人に負担させることは,契約の履行責任に応じた損害賠償責任を負担させるものであって,請負人にとって過酷であるともいえないのであるから,建て替えに要する費用相当額の損害賠償請求をすることを認めても,同条ただし書の規定の趣旨に反するものとはいえない。したがって,建築請負の仕事の目的物である建物に重大な瑕疵があるためにこれを建て替えざるを得ない場合には,注文者は,請負人に対し,建物の建て替えに要する費用相当額を損害としてその賠償を請求することができるというべきである。」と判示しました。

4重大な瑕疵とは
同判決の事件は、
注文主甲から注文を受けて請負業者乙が建築した本件建物は、その全体にわたって極めて多数の欠陥箇所がある上,主要な構造部分について本件建物の安全性及び耐久性に重大な影響を及ぼす欠陥が存するものであった。すなわち,基礎自体ぜい弱であり,基礎と土台等の接合の仕方も稚拙かつ粗雑極まりない上,不良な材料が多数使用されていることもあいまって,建物全体の強度や安全性に著しく欠け,地震や台風などの振動や衝撃を契機として倒壊しかねない危険性を有するものとなっている。このため,本件建物については,個々の継ぎはぎ的な補修によっては根本的な欠陥を除去することはできず,これを除去するためには,土台を取り除いて基礎を解体し,木構造についても全体をやり直す必要があるのであって,結局,技術的,経済的にみても,本件建物を建て替えるほかはない、というものでした。

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