コラム

 公開日: 2013-02-12 

建築 16 下請負人が建築した建物の所有権者は誰②?

最高裁平成5.10.19判決は、下請が一括下請の場合で、注文主が一括下請のあったことを知らなかったときについて、

⑴ 注文者と元請負人との間に、契約が中途で解除された際の出来形部分の所有権は注文者に帰属する旨の約定がある場合に、当該契約が中途で解除されたときは、元請負人から一括して当該工事を請け負った下請負人が自ら材料を提供して出来形部分を築造したとしても、注文者と下請負人との間に格別の合意があるなど特段の事情のない限り、当該出来形部分の所有権は注文者に帰属する。

⑵ その理由は、建物建築工事を元請負人から一括下請負の形で請け負う下請契約は、その性質上元請契約の存在及び内容を前提とし、元請負人の債務を履行することを目的とするものであるから、下請負人は、注文者との関係では、元請負人のいわば履行補助者的立場に立つものにすぎず、注文者のためにする建物建築工事に関して、元請負人と異なる権利関係を主張し得る立場にはないからである。
 
なお、⑵については、この最高裁判決の補足意見の中で、
注文者たる甲、元請負人乙、乙から一括下請負をした丙の三者の関係は、比喩的にいえば、元請契約は親亀であり、下請契約は親亀の背に乗る子亀である。乙と丙の間の一括下請契約の締結が甲の関与しないものである限り、丙は右契約上の権利をもって甲に直接対抗することはできない(下請契約上の乙、丙の権利義務関係は、注文者甲に対する関係においては、請負人側の内部的事情にすぎない)、と判示しているところです。

この記事を書いたプロ

弁護士法人菊池綜合法律事務所 [ホームページ]

弁護士 菊池捷男

岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL:086-231-3535

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

1

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
菊池綜合法律事務所|菊池捷男弁護士は数多くの民事裁判を手がけてきたエキスパート

法律事務所は決して敷居の高い場所ではありません。(1/3)

 事務所設立以来40年、「うそをつかない、ごまかさない」を信念に、離婚や相続など数多くの民事裁判を手がけてきた菊池捷男さん。現在事務所には菊池さんを筆頭に6人の弁護士が在籍し、民事から企業法務まであらゆる法律問題をサポートしています。 ...

菊池捷男プロに相談してみよう!

山陽新聞社 マイベストプロ

あらゆる法律問題に対処可能

事務所名 : 弁護士法人菊池綜合法律事務所
住所 : 岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL : 086-231-3535

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

086-231-3535

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

菊池捷男(きくちとしお)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
第2章 1遺産分割 2具体的相続分(金額)を決める三つの方法(2)特別受益の持戻し計算型
イメージ

【補説】生前贈与を受けている相続人は、その生前贈与分を、相続の先渡しを受けたものとして、具体的相続分...

[ イラストによる相続法 ]

独禁法って何だ?1 独禁法・公取委・課徴金

1 独禁法「のう、後藤よ!独禁法って何だ?」「独禁法は略称でなあ、正しくは“私的独占の禁止及び公正取引の...

[ 菊池と後藤の法律実務レポート(企業編) ]

第2章 1遺産分割 2具体的相続分(金額)を決める三つの方法
イメージ

【補説】単純型というのは、生前贈与も遺贈も寄与分もない場合のことです。単純型は、遺産の額に、法定相...

哲学とは何?

 ここまでに、徳川家康の残した処世訓のこと、法の箴言のこと、を書いてきたが、処世訓も箴言も、実に意味深い言...

[ 格言や歴史上の偉人の言葉に学ぶ ]

第2章 1遺産分割 1遺産分割とは(3)遺産分割内容を決める二つのステップ
イメージ

【補説】相続人間で、順を追って、具体的相続分を算出し、その具体的相続分に見合う遺産をどのように分割取...

[ イラストによる相続法 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ