コラム

2013-01-30

不動産 35 中間省略登記は可能か?

可能です。方法としては,
①第三者のためにする売買契約の方法と
②買主の地位の譲渡の2つの方法があります。 
なお,②の方法は,第三者(買主の地位の譲受人)が、最初の売買契約の内容を知ることになるので、買主の転売利益額を知られたくない場合は、①の方法がよいでしょう。
①の第三者のためにする契約について説明しますと、まず,売主甲と買主乙間で不動産の売買契約(第1売買)を締結します。注意しなければならない点は、第1売買契約において,所有権が甲から乙に移転するのではなく,乙が指名する第三者へ移転する旨の特約を付けておくことです。
 次に,乙は,第三者丙との間で当該不動産について,売買契約(第2売買契約)を締結します。なお,乙は,第1売買契約で当該不動産の所有者にはなっていませんので,第2売買契約では,他人(甲)が所有する物を売買するという契約内容になります。
なお、第三者のための契約の方法では,売買契約は、甲・乙間と乙・丙間の2回行うことになりますが,所有権は甲→Aへ1度移転するだけです。乙が所有者となることはありません。
そのため,所有権の移転と同様に,登記上も,甲→丙と表示すれば足るのです。

なお、第三者のための売買契約の方法は、内閣総理大臣の諮問機関であった規制改革・民間開放推進会議住宅・土地ワーキンググループ主査から法務省民事局第二課長に対してなされた照会に対し、平成18年12月22日に法務省民事局第二課長が発した回答で、可能とされています。

なお、第三者のためにする第1売買における売買契約書では、次の文言を書く必要があります。
1 (所有権の移転先及び移転時期)について、
 買主は,本物件の所有権の移転先となる者(買主を含む)を指定するものとし,売主は本物件の所有権を買主の指定する者に対し,買主の指定及び売買代金全額の支払いを条件として、直接移転することとします。

2 (所有権留保)について、
 売買代金を全額支払った後であっても,買主が買主自身を本物件の所有権の移転先に改めて書面をもって指定しない限り,買主に本物件の所有権は移転しないものとします。

3 (受益の意思表示の受領委託)について、
 売主は,買主によって所有権の移転先に指定された者が、売主に対してする「本物件の所有権の移転を受ける旨の意思表示」の受領権限を買主に与えます。

4 (売主の移転債務の履行の引受)
 買主が、買主以外の者に本物件の所有権を移転させるときは,売主は,買主がその者に対して負う所有権の移転債務を履行するために,その者に本物件の所有権を直接移転するものとします。

第2売買契約については、この契約が他人物売買となるので,当該契約書中には,
(第三者の弁済)として、
 本物件は,未だに登記名義人が所有しているので,本物件の所有権を移転する売主の義務については,売主が買主から売買代金を受領したときに,その履行を引き受けた本物件の登記名義人である所有者から買主にその所有権を直接移転する方法で履行することとします。
との文言を記載すること、及び第2売買の、買主にその旨説明することが必要となります。


この記事を書いたプロ

弁護士法人菊池綜合法律事務所 [ホームページ]

弁護士 菊池捷男

岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL:086-231-3535

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
菊池綜合法律事務所|菊池捷男弁護士は数多くの民事裁判を手がけてきたエキスパート

法律事務所は決して敷居の高い場所ではありません。(1/3)

 事務所設立以来40年、「うそをつかない、ごまかさない」を信念に、離婚や相続など数多くの民事裁判を手がけてきた菊池捷男さん。現在事務所には菊池さんを筆頭に6人の弁護士が在籍し、民事から企業法務まであらゆる法律問題をサポートしています。 ...

菊池捷男プロに相談してみよう!

山陽新聞社 マイベストプロ

あらゆる法律問題に対処可能

事務所名 : 弁護士法人菊池綜合法律事務所
住所 : 岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL : 086-231-3535

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

086-231-3535

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

菊池捷男(きくちとしお)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
読みはあっても,公用文では書かない漢字の例

次の語は,一般の人が漢字で書いても,違和感を持たれないのではないかと思われますが,公用文では, → の右に書い...

[ 公用文用語 ]

「私達」か「私たち」か? 「友達」か「友だち」か?

正解は,「私たち」と「友達」です。「私たち」の「たち」は,「私ども」の「ども」と同様,接尾語です。接...

[ 公用文用語 ]

「~にも拘わらず」か,「~にも関わらず」か,「~にもかかわらず」か?

正解は「~にもかかわらず」です。これは,接続詞の「したがって」が,漢字で「従って」と書くのではなく,平仮...

[ 公用文用語 ]

読みが「そのほか」である語句を, 「その外」と書くか,「そのほか」と書くか?

公用文では,「そのほか」と書くのが正解になります。「その外」と書くと,「外」は当て字になるからであると考...

[ 公用文用語 ]

金融機関は遺言書とどう向き合うべきか?① 遺言書の形式

 預金者が亡くなり,その預金を相続し,又は遺贈を受けたという者が,遺言書を持って,金融機関の窓口に現れた場...

[ 相続相談 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ