コラム

 公開日: 2012-12-07 

企業経営と危機管理 13 もったいない、と思う気持ちが法令違反につながった事件

赤福餅で有名なA社が、創業300周年の年である平成19年に、赤福餅の表示方法が、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)に違反したとして、10月19日三重県から無期限の営業禁止処分を受けた(翌年1月30日解除まで)。
赤福のした行為というのは、①出荷の際余った餅を、捨てないで、いったん冷凍保存して、解凍して、商品にしたのであるが(このこと自体は違法ではない)、その餅の製造年月日を、最初に製造した日ではなく、製造後冷凍にした後解凍した日を製造日にしたこと(これはJAS法に違反。赤福では解凍しての再使用を「まき直し」と称していた)、②いったん出荷した後回収した赤福餅を、餅と餡に分けて(赤福では、このときの餅を「むき餅」、餡を「むき餡」と称していた)再利用した(このことも違法ではない)が、そのときの製造年月日を、再利用の日とした(これはJAS法に違反する)こと、③JAS法では食品に使用した原材料の表示は重量順にしなければならないことになっていたので、赤福を製造する上で使用された原材料の表示は「砂糖、小豆、もち米」の順番でなければならなかったのに、A社は、消費者に好印象を持ってもらうため、「小豆、もち米、砂糖」と表示していた。この3つがJAS法に違反したのである。なお、JAS法は、食品等の品質に関する適正な表示を行なわせることを目的としたものである。飲食に起因する衛生上の危害の発生の恐れを生じさせたものではない(食品衛生法でも20条で、食品、添加物、器具又は容器包装に関しては、公衆衛生に危害を及ぼすおそれがある虚偽の又は誇大な表示又は広告をしてはならないという規定はあるが、A社は食品衛生法上の違反はなかった。)
A社のJAS法違反は、A社の高収益体質、表示違反の商品数、それから得られた利益等を考えると、捨てるのはもったいないという考えから、したものと理解されている。

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