コラム

 公開日: 2010-08-30 

トレード・シークレット(営業秘密)


不正競争防止法は、不正競争の防止を目的とする法律ですが、
「不正競争」の中に、
窃取、詐欺、強迫その他の不正の手段により「営業秘密」を取得する行為(不正取得行為)やこれを他に譲渡(開示)する行為などがあります(法2条1項4号ないし9号)。

ここで、「営業秘密」とは、「秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないものをいう」とされています(法2条6項)。

より具体的に言えば、
① 技術的ノウハウ(例えば、製造・製法技術、原材料の配合基準、技術管理マニュアル、QC(品質管理)、設計図書、打ち合わせメモ、実験データなど)
②営業上の秘密情報(顧客リスト、販売マニュアル、商品・経理上・販売上のデータなど)
に分けられますが、

これらのノウハウや情報が「秘密情報」として保護されるためには、通常、
①秘密情報として管理していること、例えば、極秘・社外秘として、一般の従業員には閲覧できないように施錠した金庫内に保管するなど閲覧制限を設けること
②提携先との契約で秘密保持契約を結んでおくこと
③一般に知られていない情報であること
が必要です。

営業秘密の不正取得などをすると、損害賠償の請求と行為の差し止めを受ける場合があります。
大阪地裁平成8年4月16日判決は、男性用かつらの製造と販売を業とする会社の顧客情報を不正取得した者に対し、顧客情報の記載された者への営業行為を禁じた外、約50万円の損害賠償を命じています。
また、東京地裁平成11年2月15日判決は、退任した保険会社の取締役が、週刊誌の記者に、社外秘に当たる情報および資料を提供した行為につき、退任後の行為であっても、営業秘密の不正開示に該当するとして、2億5500万円の損害賠償を命じています。

また、営業秘密の不正取得行為などは、懲役10年以下若しくは罰金1000万円以下又はこれを併科される犯罪でもあるのです。


この記事を書いたプロ

弁護士法人菊池綜合法律事務所 [ホームページ]

弁護士 菊池捷男

岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL:086-231-3535

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0
<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
菊池綜合法律事務所|菊池捷男弁護士は数多くの民事裁判を手がけてきたエキスパート

法律事務所は決して敷居の高い場所ではありません。(1/3)

 事務所設立以来40年、「うそをつかない、ごまかさない」を信念に、離婚や相続など数多くの民事裁判を手がけてきた菊池捷男さん。現在事務所には菊池さんを筆頭に6人の弁護士が在籍し、民事から企業法務まであらゆる法律問題をサポートしています。 ...

菊池捷男プロに相談してみよう!

山陽新聞社 マイベストプロ

あらゆる法律問題に対処可能

事務所名 : 弁護士法人菊池綜合法律事務所
住所 : 岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL : 086-231-3535

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

086-231-3535

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

菊池捷男(きくちとしお)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
遺産分割判例法理⑦ 財産全部についての遺産の分割の方法を定めた遺言は債務に及ぶ 

 民法899条は,「各共同相続人は、その相続分に応じて被相続人の権利義務を承継する。」と規定していますが,ここ...

[ 相続判例法理 ]

遺産分割判例法理⑥ 遺産分割の方法を定めた遺言の効力は代襲相続人に及ばない

遺言書の効果は,遺言書に書かれた文言に限られます。長男に全財産を「相続させる」と遺言書を書いた場合で,そ...

[ 相続判例法理 ]

遺産分割判例法理⑤ 相続放棄は詐害行為にならない

 しかしながら,相続放棄は,詐害行為になりません。下記の判例があるからです。 ですから,遺産分割協議で...

[ 相続判例法理 ]

遺産分割判例法理④ 遺産分割協議は詐害行為になりうる 

 債務が多くあり,遺産を相続しても債権者に差し押さえられると考え,遺産分割においては取得できる具体的相続分...

[ 相続判例法理 ]

遺産分割判例法理③ 債務不履行による遺産分割協議の解除は不可

 これは,代償分割など,遺産分割協議で,相続人の一人が債務を負担した場合で,当該相続人が債務を履行しないと...

[ 相続判例法理 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ