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 公開日: 2012-06-24  最終更新日: 2012-08-15

交通事故 43 遅延損害金

交通事故 43 遅延損害金
1 意味
遅延損害金とは、損害賠償の支払いが遅れたときに付く、利息と同じ意味をもつ、損害金である。

2 起算日
起算日は、交通事故の日である。すなわち、交通事故による損害賠償債務は、事故の日以後に、入院、通院をし、後遺症などが生じて、具体化していくのであるが、損害賠償債務そのものは、事故の日に発生したものと観念されるので、そのときから遅滞に陥る(最判昭37.9.4)。
したがって、遅延損害金は、事故の日から付く、ことになるのである。
⑴ 任意保険会社への請求(被害者から任意保険会社へ直接請求できることは別コラムで解説予定)も、事故の日から遅延損害金が付く。
⑵ 被害者が、弁護士との間で、弁護士費用の支払を約束して、訴訟を委任している場合、弁護士費用は、判決が確定した後に、支払う約束になっているのが通常であるが、その場合でも、弁護士費用という損害が発生するのは、事故の日であるとされるので、弁護士費用についても、事故日から遅延損害金が付く(最判昭58.9.6)
⑶ 後遺障害による逸失利益についても、事故の日から遅延損害金が付く。

3 割合
遅延損害金の割合は、年5%である(民法419条・404条)。

4 自賠責保険金の支払いを受けたときの充当関係
自賠責保険金の支払を受けたときは、まず、①事故発生日から支払日までの遅延損害金から先に充当し、②残った金額は損害賠償債権額元本に充当すればよい(最判平16.12.20・民法491条1項)。

5 労災保険による給付額の充当関係には要注意
労災保険法に基づく各種補償給付の支払については、4とは異なる扱いになる。
すなわち、最判平2210.15は、労災給付額については、休業給付額は休業損害金から、傷害一時金は後遺症による逸失利益から、損益相殺の考えのもとで、控除されることになっているが、その支払は、それが著しく遅滞するなどの特段の事情のない限り,事故の日に支払われたものと扱われるので、その金額については遅延損害金はつかないと判示した。
したがって、労災給付額の支払いを受けたときは、その金額についてのみ、遅延損害金はつかないので、注意が要る。

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