コラム

2012-06-21

交通事故 40 医療関係費③ その他の費用

1 入院雑費
1日につき1500円が認められる。
1日1600円×295日間を認めた東京地判平21.7.21、
1日1700円×33日間を認めた千葉地判平10.25、
1日1500円+貸しおむつ代1日2000円を認めた神戸地判平16.12.20もある。

2 将来の雑費
・1級3号の植物状態の18歳男性に退院後58年間、日額1500円の介護雑費(おむつ代)を認めた大阪地判平12.7.24
・1級3号、12級の併合1級の兼業主婦に対し、日常生活で必要とする製品を具体的に列挙して月平均2万8000円の雑費を、平均余命41年間分認めた東京地判平16.5.31
・人工的な導尿のためのカテーテルなどの用具代として月5万円を認めた東京地判平17.10.27がある。
・1級3号の被害者(症状固定時38歳)につき、年額90万円を認めた千葉地佐倉支平18.9.27等がある。

3 通院交通費・宿泊費等
通院に要する交通費は、電車・バス等の公共交通機関の利用料金が原則だが、次のような場合は、タクシー料金が、損害として、認められる。
・自宅から公共交通機関を利用する場所が遠く、困難
・仕事の関係で、重量のある物を携行する必要があり、公共交通機関の利用に支障がある
・事故による対人恐怖、外出困難な状況にある
・傷害の部位・程度により、タクシーによる通勤が必要

4 自家用車の利用
自家用車の利用には、ガソリン代が認められる
必要に応じ、駐車場代金、高速道路利用代金も認められる。

5 ホテル宿泊費等
重篤な被害者に付添う近親者が負担するホテル宿泊料、アパート家賃、仲介手数料、保険料、生活用具購入費用が、必要に応じ、認められる。

6 付添交通費
必要に応じ認められる。
・外貌醜状と左下腿部の神経症状で併合7級となった27歳女性の付添のための、ホテル宿泊費32万円、付添交通費4万円を認めた裁判例がある。

7 見舞いのための交通費
・併合4級の高校生の親のした120回の見舞いのうち、40日分24万円を認めた裁判例、・12級の29歳男性の両親と妹の見舞いのうち入院期間220日の内、数日分を認めた裁判例、
・1級の母親が266日間入院し、その間、子が78回見舞ったケースで、全見舞いの回数分を認めた裁判例などがある。

8 職場復帰のための交通費
・12級の女性が、職場復帰訓練のために、松葉杖を使ってタクシー通勤をした53日分の費用19万円余り、また、
・後遺障害非該当の被害者につき、通勤と仕事上の移動で、34万円のタクシー料金を認めた裁判例がある。

9 将来の交通費
・3級3号の51歳の被害者につき、年額64万1385円、平均余命まで27年間分を認めた裁判例がある。

10 医者への謝礼
社会通念上、相当なものであれば、認められることがある。
・献血をしてくれた人、医師、看護婦、ヘルパーへの謝礼を認めた裁判例、
・1級の被害者が、合計150万円を医師らへの謝礼として支払ったうち45万円が認められた裁判例
等がある。

11 学習費、保育費、通学付添費
必要性と相当性の範囲で認められる。
・1年間休学した女子高校生に、退院後1年間の補習費47万円を認めた裁判例
・1年間休学した大学生に、授業料282万円を認めた裁判例
・事故により留年を余儀なくされた高校生に、学費41万円を認めた裁判例
・入通院で2年間留年した大学生に、2年分の授業料208万円を認めた裁判例
等がある。

12 家屋・自動車等改造費
・後遺障害1級の被害者のための家屋改造費、私道改造費、仮住居家賃、引越費用、登記費用2200万円余りをかけたうち7割を損害と認めた裁判例、
・1級の被害者のため自宅にエレベーターを設置した費用のうち8割を認めた(2割は家族が利便を受けることを理由に、損益相殺された)裁判例
・右下肢欠損(4級5号)と高次脳機能障害(7級4号)で併合2級の被害者、エレベーター設置費用等の8割を認めた裁判例等がある。
・右足関節機能用廃等、併合6級の被害者についても、また、
・左足関節痛の(12級12号)の47歳男性についても、家屋改造費の一部425万円を認めた裁判例等がある。

13 自動車改造費
これも必要に応じ、損害として認められる。
・等級の低いところで、7級の被害者について認めた裁判例がある。

14 その他
・家庭教師の謝礼
・無駄になった授業料・入学金
・無駄になった自動車教習費用
等を、損害として認めた裁判例がある。


この記事を書いたプロ

弁護士法人菊池綜合法律事務所 [ホームページ]

弁護士 菊池捷男

岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL:086-231-3535

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
菊池綜合法律事務所|菊池捷男弁護士は数多くの民事裁判を手がけてきたエキスパート

法律事務所は決して敷居の高い場所ではありません。(1/3)

 事務所設立以来40年、「うそをつかない、ごまかさない」を信念に、離婚や相続など数多くの民事裁判を手がけてきた菊池捷男さん。現在事務所には菊池さんを筆頭に6人の弁護士が在籍し、民事から企業法務まであらゆる法律問題をサポートしています。 ...

菊池捷男プロに相談してみよう!

山陽新聞社 マイベストプロ

あらゆる法律問題に対処可能

事務所名 : 弁護士法人菊池綜合法律事務所
住所 : 岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL : 086-231-3535

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

086-231-3535

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

菊池捷男(きくちとしお)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
「常用漢字表」に読みのない漢字は使わない

・分かり易い  →  分かりやすい・・・「易」に「やす」の読み(字訓)なし・ご存知のとおり  →  御存じのと...

[ 公用文用語 ]

読みはあっても,公用文では書かない漢字の例

次の語は,一般の人が漢字で書いても,違和感を持たれないのではないかと思われますが,公用文では, → の右に書い...

[ 公用文用語 ]

「私達」か「私たち」か? 「友達」か「友だち」か?

正解は,「私たち」と「友達」です。「私たち」の「たち」は,「私ども」の「ども」と同様,接尾語です。接...

[ 公用文用語 ]

「~にも拘わらず」か,「~にも関わらず」か,「~にもかかわらず」か?

正解は「~にもかかわらず」です。これは,接続詞の「したがって」が,漢字で「従って」と書くのではなく,平仮...

[ 公用文用語 ]

読みが「そのほか」である語句を, 「その外」と書くか,「そのほか」と書くか?

公用文では,「そのほか」と書くのが正解になります。「その外」と書くと,「外」は当て字になるからであると考...

[ 公用文用語 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ