コラム

 公開日: 2011-09-17  最終更新日: 2012-08-17

不動産 18 環境の変化(悪化)

1公園ができると思っていたが、目の前は長大な擁壁だった事例
千葉地裁平成14.1.10判決の事件です。
①購入者の土地購入動機・・・小児喘息の子のため、環境の良いところを探していたとき、環境もよく、また仲介業者の従業員より南には公園が出来ると言われたこと。
②その後・・・南に公園はできたが、調整池兼用の公園で、家の前4m離れて、高さ5m、長さ103mの巨大な鉄筋コンクリート製の擁壁ができ、日照は確保できるが、眺望その他の環境の良さを失った。
③仲介業者の責任・・・調査不十分の過失責任
④損害賠償の金額・・・建物改装費用の一部300万円

2鉄道騒音被害
福岡地裁平成3.12.26判決の事件です。
この事件は、マンション住戸の「サンプルルームによる見本販売」で購入したケースで、マンションの遮音設備不十分が問題になった事件です。

マンション分譲会社は、マンションをJRの鉄道近くに建てたのですが、マンションの住戸は「遮音性、機密性に優れた高性能サッシを使用しています。」と売り出しました。しかし、実際は、サッシの遮音性能は25dB(デシベル」しかなく、取引通念上高性能サッシとは30dB以上になるとされているのに、25dBというのはJIS規格上遮音性としては最低ランクのもので、このマンションの住戸の貨物列車通過時の室内騒音は50~60ホン超になる(社会通念上、室内騒音の許容値は40dBとされている)ほどでした。

判決は、債務不履行(不完全履行)による損害賠償として、財産価格の低下分を認めるとしましたが、その立証がないという理由で、25~15万円の慰謝料を認めるにとどめました。
なお、dBとホンの違いですが、計量法が変更になる平成5年以前ではホン(A)=dB(A)で同じ物を意味していました。ですから、この判決で言うdBとホンは同じものと考えてよいと思います。

3古い情報で、銭湯の営業は近く停止になると誤った説明をしたケース
東京地裁平成12.10.30判決です。
これは、高層マンションの最上階南東角の住戸を購入した甲の件です。
①甲が気にしたところ・・・そのマンションの南東方向の至近距離にある銭湯の煙突が、甲の購入した住戸と同じ高さにあり、煙が住戸に及ぶこと。
②マンション分譲会社の従業員の説明・・・この銭湯は近く営業を停止して、九階建ての新しいビルが出来るので、煙突から来る煙の問題は生じない。
③実際の計画・・・計画はあったが、近隣とのトラブルで頓挫していた。
④正確な情報の調査義務・・・住戸売買契約の時点で、分譲会社が銭湯の経営者や地主から事情を聞いておれば、その計画は頓挫したことが分かったのに、分譲会社はしなかった。
⑤分譲会社の責任肯定
⑥損害額
甲が煙を嫌い、他に借家を求めて引っ越ししたときから、その後銭湯が停止になった(煙が出なくなった)後二ヶ月が経過したときまでの引っ越し先の家賃(合計29ヶ月分)、二度の引っ越し費用その他約540万円

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