コラム

 公開日: 2011-09-16  最終更新日: 2012-08-17

不動産 16 高架道路建設計画

1土地を買い、家を建てた後、南側に高さ8mの高架道路が建設された事例
松山地裁平成10.5.11判決は、宅建業者である売主が、高架道路建設計画を知っていながら、それを買主に告知しなかった点で、重大な義務違反だとして債務不履行責任と不法行為責任を認め、この土地の売買を仲介した宅建業者は、「土地取引の周辺について調査義務があり、調査をすれば容易に高架道路建設計画を知り得たのに、調査をしなかった」点に過失があるとして不法行為責任を認めました。

そして両者の責任は、売主が高架道路建設計画を知りながら故意に買主に告知しなかった点で責任は重く、仲介業者の方はそのことを知らなかった点では責任は軽いと言えるが、不法行為責任という点で連帯してその賠償をすべきだとしました。

2損害賠償額
判決は、買主の損害賠償額は、
①土地については日照・通風被害による減損分10%
②建物の機能的、経済的減損分38%、
③慰謝料200万円
と判示しました。

一般に、不動産業者の債務不履行責任には、慰謝料は認められず、ただ、経済的損害を補填してもなおそれによっても慰謝されない精神的苦痛が残存するときに限り、慰謝料請求権が認められるとするのが最高裁昭和35.3.10判決ですが、この判決は、業者の重大な義務違反を指摘して、買主側の過失相殺を否定し、慰謝料まで認めました。
これも事例として、紹介します。

この記事を書いたプロ

弁護士法人菊池綜合法律事務所 [ホームページ]

弁護士 菊池捷男

岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL:086-231-3535

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
菊池綜合法律事務所|菊池捷男弁護士は数多くの民事裁判を手がけてきたエキスパート

法律事務所は決して敷居の高い場所ではありません。(1/3)

 事務所設立以来40年、「うそをつかない、ごまかさない」を信念に、離婚や相続など数多くの民事裁判を手がけてきた菊池捷男さん。現在事務所には菊池さんを筆頭に6人の弁護士が在籍し、民事から企業法務まであらゆる法律問題をサポートしています。 ...

菊池捷男プロに相談してみよう!

山陽新聞社 マイベストプロ

あらゆる法律問題に対処可能

事務所名 : 弁護士法人菊池綜合法律事務所
住所 : 岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL : 086-231-3535

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

086-231-3535

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

菊池捷男(きくちとしお)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
黄金株って、何だい?①

1 意味 菊池: のう、後藤!黄金株って、黄金でできた株式でないことは分かるが、どんな株式なんだい?後...

[ 菊池と後藤の法律実務レポート(企業編) ]

金庫株って、何だい?②

3 金庫株解禁の理由および利用方法菊池: だけど、金庫株の保有は解禁されたんだよなあ。理由は何だい。後...

[ 菊池と後藤の法律実務レポート(企業編) ]

金庫株って、何だい?①

1 意味菊池: のう、後藤!金庫株という言葉があるだろう。意味は何だい?後藤: この株式はなあ、金庫と...

[ 菊池と後藤の法律実務レポート(企業編) ]

就業規則の変更が、労働組合が同意していている場合でも無効になるとき

最高裁第一小法廷平成12年9月7日判決は、特定の年齢層の従業員(60歳定年制の下で55歳を超えた銀行の行員...

[ 労働 ]

金融機関から見た不良債権の意味と分水嶺

1 不良債権 不良債権とは、金融庁の「金融債権マニュアル」における区分のうち、(ア)破綻先債権(法的・...

[ 民法雑学 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ