コラム

 公開日: 2011-04-17 

相続 149 妻の介護という負担付きで長男に全財産を相続させる遺言

1 負担付き相続
【遺言文例】
一 私は、長男が適宜の方法で妻の存命中妻に必要な介護をすることを長男の負担として、全財産を長男に相続させる。
二 私は、次の者を遺言執行者に指定する。
 住所・・・
 氏名・・・
 生年月日・・・
三 遺言執行者には、長男がこの遺言に従い妻の介護を十分にするよう監督することを求める。長男は、最低月1回は妻の介護状況を遺言執行者に報告し、遺言執行者から請求があれば、いつでも妻の介護の内容、それにかかった費用を遺言執行者に報告をしなければならない。
四 遺言執行者並びに他の相続人は、長男が負担した義務を履行しないときは、相当の期間を定めてその履行の催告をなし、それでも長男が履行をしないときは、その負担付相続に係る遺言の取消しを家庭裁判所に請求しなければならない。

2 負担付き相続の意味
負担付き相続とは、相続人に対する負担付き遺贈と同じものですので、本連載コラム「相続 38 負担付き遺贈」をご覧下さい。

3 遺言事項四を書いた理由
負担付き遺贈や負担付き相続を受けた者が「負担」を履行したかどうか明確でない場合が多く、また、負担付き遺贈や負担付き相続を民法1027条により取り消すことが、遺言者の意思に適う保証はありません。そこで、負担つき遺贈や相続を取り消すかどうかは、家庭裁判所が、遺言者の意図がどこにあるかを考え、判断します。
そこで、裁判所の判断の方向付けをする意味と、負担付き遺贈や負担付き相続を受ける者(ここでは長男)に対し、遺言者の強い意志を明確にしておく意味から、遺言事項四項を書いたものです。

この記事を書いたプロ

弁護士法人菊池綜合法律事務所 [ホームページ]

弁護士 菊池捷男

岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL:086-231-3535

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

2
<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
菊池綜合法律事務所|菊池捷男弁護士は数多くの民事裁判を手がけてきたエキスパート

法律事務所は決して敷居の高い場所ではありません。(1/3)

 事務所設立以来40年、「うそをつかない、ごまかさない」を信念に、離婚や相続など数多くの民事裁判を手がけてきた菊池捷男さん。現在事務所には菊池さんを筆頭に6人の弁護士が在籍し、民事から企業法務まであらゆる法律問題をサポートしています。 ...

菊池捷男プロに相談してみよう!

山陽新聞社 マイベストプロ

あらゆる法律問題に対処可能

事務所名 : 弁護士法人菊池綜合法律事務所
住所 : 岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL : 086-231-3535

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

086-231-3535

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

菊池捷男(きくちとしお)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
遺言法理 遺言者は、もっと遺言執行者を活用すべし

遺言執行者は、遺言者に代わって、遺言書の実現に尽くす者ですから、遺言者は、ただ、「相続させる」と書いただけ...

[ 相続判例法理 ]

財産分与と不動産取得税

離婚による財産分与として不動産を取得した場合でも、不動産取得税はかかるのですか?かかる場合は、どのくらい...

[ 民法と税法 ]

宅建業者(売主)が不動産売買契約を結ぶ場合の特約の有効性

1 中古住宅販売の売買契約(1)瑕疵担保免責約款  ア 買主が宅建業者の場合 有効  イ 買主が個人...

[ 不動産 ]

宅建業者(売主)がする売買契約締結等の時期の制限

宅建業法36条1項は、「宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前においては、当該工事に...

[ 不動産 ]

大切にしたいもの 徳義

正直であること、嘘をつかないこと、ごまかさないことは、人が人として生き抜くうえで、最も重要な徳目であると思...

[ 大切にしたいもの ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ