コラム

 公開日: 2011-04-15  最終更新日: 2013-04-15

労働 7 従業員を懲戒解雇できる理由

1 解雇に関する規定
労働契約法16条は「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」と定めています。この規定は、労働契約法が制定される前は、労働基準法18条の2にあった規定です。

2 解雇権の濫用にはならない解雇とは?
労働基準法第20条1項は、解雇には予告期間が必要だとする規定で「使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも30日前にその予告をしなければならない。30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。」と定めています。

3 労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合
この規定のただし書きで、「労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合」は30日前の予告、または30日分の賃金支払(解雇予告手当)の支払い義務を免除する(ただし、それには「その事由について行政官庁の認定を受けなければならない。」と定めていますので、「労働者の責めに帰すべき事由に基づいて解雇する場合」には、労働基準法20条3項、19条2項により労働基準監督署の「解雇予告の除外認定」を受けて、予告期間を置かず解雇できることになっていますので、その場合の解雇なら解雇権濫用には問われないことになります。

4 通達の内容
ところで、
除外認定の基準は通達(昭和23・11・11基発1637号)昭和31・3・1基発第111号)で示されていますので、その基準で解雇する場合は、解雇権の濫用にはならないことになります。すなわち、通達によれば、
『「労働者の責に帰すべき事由」とは、労働者の故意、過失又はこれと同視すべき事由であるが、判定に当たっては、労働者の地位、職責、継続勤務年限、勤務状況等を考慮の上、総合的に判断すべきであり、「労働者の責に帰すべき事由」が法第20条の保護を与える必要のない程度に重大又は悪質なものであり、従って又使用者をしてかかる労働者に30日前に解雇の予告をなさしめることが当該事由と比較して均衡を失するようなものに限って認定すべきものである。
労働者の責に帰すべき事由」として認定すべき事例を挙げれば、
①原則として極めて軽微なものを除き、事業場内における盗取、横領、傷害等刑法犯に該当する行為のあった場合。また、一般的に見て「極めて軽微」な事案であっても、使用者があらかじめ不祥事件の防止について諸種の手段を講じていたことが客観的に認められ、しかもなお労働者が継続的に又は断続的に盗取、横領、傷害等の刑法犯又はこれに類する行為を行った場合、あるいは事業場外で行われた盗取、横領、傷害等刑法犯に該当する行為であっても、それが著しく当該事業場の名誉もしくは信用を失ついするもの、取引関係に悪影響を与えるもの又は労使間の信頼関係を喪失せしめるものと認められる場合。
②賭博、風紀紊乱等により職場規律を乱し、他の労働者に悪影響を及ぼす場合。また、これらの行為が事業場外で行われた場合であっても、それが著しく当該事業場の名誉もしくは信用を失ついするもの、取引関係に悪影響を与えるもの又は労使間の信頼関係を喪失せしめるものと認められる場合。
③雇入れの際の採用条件の要素となるような経歴を詐称した場合及び雇入れの際、使用者の行う調査に対し、不採用の原因となるような経歴を詐称した場合。
④他の事業場へ転職した場合。
⑤原則として2週間以上正当な理由なく無断欠勤し、出勤の督促に応じない場合。
⑥出勤不良又は出欠常ならず、数回に亘って注意を受けても改めない場合。
 の如くであるが、認定に当たっては、必ずしも右の個々の例示に拘泥することなく総合的かつ実質的に判断すること。
 なお、就業規則等に規定されている懲戒解雇事由についてもこれに拘束されることはないこと。』

5 その他の解雇事由
その他にも、業務命令不服従、人事発令拒否、会社の誹謗中傷等々、裁判で認められた解雇事由があります。

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