コラム

 公開日: 2011-03-31  最終更新日: 2014-07-03

イラスト相続 11 生前贈与があるとき


相続人の中で、被相続人より生前贈与を受けている者がいる場合、遺産分割に入る前の計算方法が、基本型とは違ってきます。
これを、図で示します。
例:本コラム「イラスト相続9」の例の場合で、実は長男が生前被相続人よりこの当時時価1000万円のA宅地を贈与されていたとします。
Step1
相続人・相続分の確定
例:
相続人は、相続人は妻と長男と長女であった。
相続分は、遺言がないので法定相続分になり、妻が1/2,長男が1/4、長女が1/4になった。

Step2
相続財産の総額を、相続開始時を基準に算定
例:
相続財産の相続開始時の総額は1億円であった。

Step3
相続財産の総額に贈与の額(相続開始時が基準)を加算する
例:
長男には当時1000万円の価値があった財産を贈与していたが、相続開始時の価額は2000万円であったので、2000万円を加算する。

Step4
相続財産の額に贈与の額を加える(これを「持戻し」といい、その合計額を「みなし相続財産」という)
例 
みなし相続財産は、
相続財産額1億円+生前贈与額2000万円=1億2000万円になる。
価額はいずれも相続開始時のものです。

Step5
みなし相続財産に各相続人の相続分をかける(それによって算出された金額を「一応の相続分」という)
例:
妻 は法定相続分が1/2なので、1億2000万円×1/2=6000万円、
長男は法定相続分が1/4なので、1億2000万円×1/4=各3000万円
長男も法定相続分が1/4なので、1億2000万円×1/4=各3000万円
になる。

Step6
一応の相続分から生前贈与の金額を引く(それによって算出された金額を「具体的相続分」という)
例:
妻 は、一応の相続分6000万円-0=6000万円、
長男は、一応の相続分3000万円-生前贈与額2000万円=1000万円、
長女は、一応の相続分3000万円-0=3000万円
この具体的相続分は、相続開始時の相続財産1億円を分けるときの基準になる金額です。
すなわち、相続開始時1億円であった相続財産から、妻は6000万円、長男は1000万円、長女は3000万円をもらえることになるのです。

Step7
相続財産の価額が、相続開始時と遺産分割時で異なっている場合は、遺産分割時の価額を算出する。
例:
相続開始時1億円であった相続財産は、遺産分割時9000万円になっていた。

Step8
 各相続人の現実的取得分を算出
これは、遺産分割時の相続財産額を、各相続人が、具体的相続分率で分け合うことで算出されます。
妻 は、9000万円×6000万円/1億円=5400万円、
長男は、9000万円×1000万円/1億円=900万円
長女は、9000万円×3000万円/1億円=2700万円

Step9 遺産分割の必要性を検討
Step10 遺産分割の協議に入る。

この記事を書いたプロ

弁護士法人菊池綜合法律事務所 [ホームページ]

弁護士 菊池捷男

岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL:086-231-3535

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0
<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
菊池綜合法律事務所|菊池捷男弁護士は数多くの民事裁判を手がけてきたエキスパート

法律事務所は決して敷居の高い場所ではありません。(1/3)

 事務所設立以来40年、「うそをつかない、ごまかさない」を信念に、離婚や相続など数多くの民事裁判を手がけてきた菊池捷男さん。現在事務所には菊池さんを筆頭に6人の弁護士が在籍し、民事から企業法務まであらゆる法律問題をサポートしています。 ...

菊池捷男プロに相談してみよう!

山陽新聞社 マイベストプロ

あらゆる法律問題に対処可能

事務所名 : 弁護士法人菊池綜合法律事務所
住所 : 岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL : 086-231-3535

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

086-231-3535

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

菊池捷男(きくちとしお)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
情報公開条例の誤解⑤ コピー代は全額請求するべし

Q 当市の公開条例には,公文書の開示の方法として写し(コピー)を交付する方法を採っており,コピー代として1...

[ 地方行政 ]

情報公開条例の誤解④ 権利がないことと,権利の乱用は違うこと

Q 住民からの公文書の開示請求に応じた後の,公文書の内容に対する質問に対しては,回答する義務のないことは分...

[ 地方行政 ]

情報公開条例の誤解③ 助言義務は説明義務に非ず

Q 当市の公開条例には,第3条 何人も,この条例の定めるところにより,実施機関に対し,当該実施機関の保有す...

[ 地方行政 ]

情報公開条例の誤解➁ 知る権利は,法と条例の制限内の権利なり

Q 情報の開示を請求した住民に,公文書のコピーを交付した後,当該住民から,住民には“知る権利”があるのだから...

[ 契約書 ]

情報公開条例の誤解① 説明義務はない

Q 私はA市の情報公開担当課の者ですが,次のような請求に困っています。アドバイスを御願いいたします。1...

[ 地方行政 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ