コラム

 公開日: 2017-09-22  最終更新日: 2017-09-28

道徳経済合一説

これは、渋沢栄一の持論とされている考え方です。
ここで、道徳というのは、論語の教えのことです。
渋沢栄一は、幕末に生を受け、幕臣となり、官僚となり、実業界に転じますが、第一国立銀行や東京証券取引所、その他多くの企業・団体を設立し経営に携わり、日本資本主義の父ともいわれる人物です。
彼は、三井、三菱など財閥の創業者が皆、男爵位にとどまった中、民間人としては唯一、子爵位を得て、華族になります。
彼だけ高く評価されたのは、自ら財閥への道を選ばず、己個人の利益よりも、社会の利益を優先させ、かつ、経済と道徳を合一させてきた姿勢が評価されてきたことによります。

論語の教えといえば、儒教のことですが、その儒教が国教化されつつあった中国は前漢の時代、司馬遷が「史記」を書きました。その史記の叙述の対象は王侯が中心ですが、民間の人物を取り上げた「列伝」というものがあり、その一つに「貨殖列伝」があります。
その中で、司馬遷は、「素封の者」という言葉を使っています。現在の「素封家」という言葉はここからきていますが、「素封」の意味は、「素」は色の付いていないという意味(無色のこと)、「封」は封土の意味から転じて、封土を持たないが、封土を持ち人民を支配した領主と比肩しうるほどの財貨を築いた者という意味です。
その中には、孔子の弟子である子貢も含まれています。孔子は、子貢のことを、論語の教えにかなっていると評価しています。
さて、貨殖列伝の中には、「売価を公平にして物価を適正にし、市場を経て流通する物資を乏しくないようにするのが、国を治める常道である。」との記述があります。
ここにも、道徳経済合一説的な考えが見られます。

近江商人といえば、「売り手よし、買い手よし、世間よし」という三方良しの経営哲学で有名ですが、ここにも、道徳経済合一説的な考えが見られます。

経済取引と道徳の実践が至高の価値を持つという考え方は、歴史に一貫する法則であるといえましょう。

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