コラム

 公開日: 2017-08-14  最終更新日: 2017-09-06

独禁法と下請法の関係いかん

「後藤よ!下請法 (正式名称は「下請代金支払遅延等防止法」) という法律があるよなあ。あれと独禁法とはどういう関係があるんだい。」
「一言で言えば、下請法は、下請業界における、優越的地位の濫用を取り締まる法律だ。
したがって、独禁法の適用も可能なのだが、独禁法は、実質基準で判定されるので、優越的地位の濫用に該当するかどうかの判定までには時間がかかる。
しかし、下請法は、形式基準で優越的地位の濫用を認定できるようにしたので、その認定までの時間は短い。
その点で、下請法は、下請業者の救済に資するところ大となる。
下請法の制定は、昭和31年だ。時あたかも高度経済成長期(昭和30年から昭和48年)が始まった時期だ。
建設業界は活況を呈し、その分、親事業者の優越的の地位の濫用が目立った時期になる。」

「下請法に違反した会社にも、課徴金が科されるの?」
「下請法は、形式基準で判定されるので、金銭を支払うことを命ずることも、課徴金を科すこともないが、ただ、下請法に違反した会社は、独禁法違反にもなるので、独禁法を適用されると、課徴金を科されることがあり、現に、そのようなケースもあるよ。」

「下請法が適用される業種には、どんなものがあるの?」
「製造委託、修理委託、情報成果物作成委託及び役務提供委託の4種類だよ。」

「下請法違反の行為とは?」
「受領拒否、下請代金の支払遅延、下請代金の減額、返品等は、原則として下請法違反になり、割引困難な手形の交付、不当な経済上の利益の提供要請等は、内容次第で下請法違反になるなど、微妙な問題もあるよ。」

「下請法に違反すると、どうなるの?」
「下請法に違反すると、親事業者は、下請事業者が被った損害を賠償するよう勧告を受けるよ。
また、遅延損害金も付加して支払うよう勧告されるよ。
遅延損害金は14,6%という高い割合になる。
最近、損害賠償額が約25億7千万円であるのに対し、遅延利息約13億2千万円であったケースもあるよ。」

「会社名の公表はあるの?」
「会社名が公表されるようになっているので、注意を要するよ。」

「では、課徴金は科されないが、独禁法違反に問われると課徴金が科されるということだな。」
「そうだよ。だから、勧告とはいえ、下請法の勧告は、事実上、親事業者を拘束するよ。」

「下請法では、独禁法での課徴金の減免と同じような、勧告免除の道はないの?」
「あるよ。公取委は、① 公取委が調査に着手する前に、違反行為を自発的に申し出ている。② 違反行為を既に取りやめている。③ 下請事業者に与えた不利益を回復するために必要な措置を講じている等の事由がある場合には、勧告そのものをしないことにしているよ。
これは、下請法版リーニエンシーとよばれているが、親事業者がうっかり下請法違反をしていることが判明した場合には、この制度を活用すべきだろうなあ。」

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