コラム

 公開日: 2011-02-26 

相続 137 数日前に出た最高裁判所判決 「全財産をAに相続させる」と書いた遺言は、Aの死亡により効果を失うのか?Aの子が代襲相続をするのか? ー 最高裁判所平成23.2.22判決の内容紹介


1 遺言の内容
被相続人(母)の遺言書の内容は、推定相続人である長男Aと長女Bのうち、長男Aに「全財産を相続させる」と書いたもの

2 遺言を書いた後の事情
被相続人が1の遺言を書いた後、被相続人が生きている間に、長男Aが死亡しました。長男Aには3人の子がいました。長男のこの3人の子は、被相続人の代襲相続人になります。

3 問題 
母が「全財産を長男Aに相続させる」と書いた遺言は、効果が消滅することなく被相続人の「全財産」は、長男Aの3人の子が代襲相続をするのか?それとも、Aの死亡により効果を失うのか? 
最高裁判所平成23.2.22判決は、長男Aに全財産を相続させる旨の遺言は、長男Aの死亡によって効力を失った。したがって、被相続人の財産は、前記遺言のない相続として、長男Aの3人の子(Aの代襲相続人)が各1/6(3人でAの1/2の相続分を分け合う)、長女Bが1/2を相続すると判示したのです。

4 包括遺贈との類似性
もし被相続人の遺言が、「全財産を長男Aに遺贈する」と書いたもので、それが法的にも「遺贈」である場合、民法994条1項で「遺贈は、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは、その効力を生じない。」との規定がありますので、包括受遺者であるAに子がいても、その子が財産を取得することはできません。

5 本判決の意味
「包括して相続させる」旨の遺言と「包括して遺贈する」との遺言は、法的効果は同じです。そうであれば、4の結論は当然だということになります。最高裁の上記判決はこのことを明らかにしたものです。

この記事を書いたプロ

弁護士法人菊池綜合法律事務所 [ホームページ]

弁護士 菊池捷男

岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL:086-231-3535

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0
<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
菊池綜合法律事務所|菊池捷男弁護士は数多くの民事裁判を手がけてきたエキスパート

法律事務所は決して敷居の高い場所ではありません。(1/3)

 事務所設立以来40年、「うそをつかない、ごまかさない」を信念に、離婚や相続など数多くの民事裁判を手がけてきた菊池捷男さん。現在事務所には菊池さんを筆頭に6人の弁護士が在籍し、民事から企業法務まであらゆる法律問題をサポートしています。 ...

菊池捷男プロに相談してみよう!

山陽新聞社 マイベストプロ

あらゆる法律問題に対処可能

事務所名 : 弁護士法人菊池綜合法律事務所
住所 : 岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL : 086-231-3535

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

086-231-3535

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

菊池捷男(きくちとしお)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
情報公開条例の誤解⑤ コピー代は全額請求するべし

Q 当市の公開条例には,公文書の開示の方法として写し(コピー)を交付する方法を採っており,コピー代として1...

[ 地方行政 ]

情報公開条例の誤解④ 権利がないことと,権利の乱用は違うこと

Q 住民からの公文書の開示請求に応じた後の,公文書の内容に対する質問に対しては,回答する義務のないことは分...

[ 地方行政 ]

情報公開条例の誤解③ 助言義務は説明義務に非ず

Q 当市の公開条例には,第3条 何人も,この条例の定めるところにより,実施機関に対し,当該実施機関の保有す...

[ 地方行政 ]

情報公開条例の誤解➁ 知る権利は,法と条例の制限内の権利なり

Q 情報の開示を請求した住民に,公文書のコピーを交付した後,当該住民から,住民には“知る権利”があるのだから...

[ 契約書 ]

情報公開条例の誤解① 説明義務はない

Q 私はA市の情報公開担当課の者ですが,次のような請求に困っています。アドバイスを御願いいたします。1...

[ 地方行政 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ