コラム

 公開日: 2011-02-22 

相続 133 相続法の歴史


相続は、被相続人の死亡によって開始しますが、その死亡の日によって適用される法律が違ってきますので、それを知っておくことは重要です。そこで、相続法の歴史について簡単に触れておきます。

1 明治以前の相続法
鎌倉幕府以後、武家の相続は、完全な長子単独相続だった模様です。これは、戦闘集団の維持の面からも都合が良かったようですが、長幼道徳を根幹とする儒教の影響とされています。商工階級の富裕層も、武家への模倣もあって、長子相続が浸透した模様ですが、富裕層以外の商工階級では、長幼の順より、稼げる子に「家」を承継させる風があった模様です。農家は農地の分割を避けるため、一子相続だった模様です。
が、この問題は、通常、現実の相続問題に影響を与えることはありません。

2 明治初年の太政官時代の相続法
明治6年1月22日太政官布告28号「華士族家督相続の儀」を発令し、同年7月22日太政官布告263号で家督相続は長男子に限るとしました。
明治8年5月15日の太政官指令では、平民も華士族と同様長男子による家督相続としています。以後、戦後の新民法の制定まで、長男子単独による家督相続制度が続きます。

3 明治23年10月7日公布の「民法」(旧旧民法)時代

4 明治31年7月16日施行の「民法」(旧民法)時代
明治31年7月16日から昭和22年5月2日までの間に開始した相続について適用される法律
とはいうものの昭和17年には改正があります。
これは、家督相続があった時代の民法です。この時代に亡くなった被相続人については、
⑴ 被相続人が戸主であった場合の相続については、戸主による家督相続制度が、
⑵ 被相続人が戸主以外の者(家族)である場合の相続については、遺産相続制度が、
適用されます。
不動産の名義人が、この時期に死亡した場合は、家督相続か遺産相続かが問題になりますが、一般に、戸主以外の家族が不動産を所有することは稀でしょうから、通常は戸主による単独相続を前提に相続問題を考えても間違いはないと思われます。

5 「日本国憲法の施行に伴う民法の応急的措置に関する法律」(応急措置法)時代
これは、昭和22年5月3日から昭和22年12月31日までの間に開始した相続について適用されます。

6 昭和23年1月1日施行の改正新民法時代
これは、今から見るとずいぶん古い法律ですが、これは昭和23年1月1日から昭和37年6月30日までに開始した相続について適用される法律です。それまでの古い家督相続制度のあった時代から見ると、まさに“改正新民法”だったのです。

7 昭和37年7月1日施行の「民法」の一部改正
これは、昭和37年7月1日から昭和55年12月31日までに開始した相続について適用されます。

8 昭和56年1月1日施行の現行の相続法
昭和56年1月1日以降に開始した相続について適用されます。
寄与分の新設や配偶者の法定相続分の引き上げなどがあります。

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