コラム

 公開日: 2011-02-18 

相続 129 遺言文例 子の認知


1 遺言文例」
遺言者は,〈本籍〉・○○○○(生年月日)を認知する。

2 認知制度
民法779条は「嫡出でない子は、その父又は母がこれを認知することができる。」と規定しています。嫡出でない子とは、法律上の夫婦でない男女の間に生まれた子のことで、「非嫡出子」と言われます。
⑴ 誰が認知をするのか?
民法779条は、父又は母が認知をすると書いていますが、母の認知は原則として必要ありません。最高裁昭和37.4.27判決は、母と非嫡出子の関係は、原則として母の認知をまたず、分娩の事実だけで当然に発生する、と判示しています。
ですから、認知をする者とは“父”だけになります。
⑵ 認知能力
民法780条は「認知をするには、父又は母が未成年者又は成年被後見人であるときであっても、その法定代理人の同意を要しない。」と規定していますので、“父”であれば、いつでも認知が出来ます。
⑶ 認知の方式
民法781条1項は「認知は、戸籍法の定めるところにより届け出ることによってする。」と定め、2項で「認知は、遺言によっても、することができる。」と定めていますので、遺言で認知をすることも可能です。
⑷ 成年の子の認知には本人の同意が要る。
民法782条に「成年の子は、その承諾がなければ、これを認知することができない。」と定めているからです。
⑸ 胎児を認知する場合は、母の同意が要る。
民法783条1項で「父は、胎内に在る子でも、認知することができる。この場合においては、母の承諾を得なければならない。」と定めているのです。
⑹ 死亡した子の認知は、代襲相続人がいるときに限り、認知ができる。
民法783条2項は、「父又は母は、死亡した子でも、その直系卑属があるときに限り、認知することができる。この場合において、その直系卑属が成年者であるときは、その承諾を得なければならない。」と定め、①死亡した子は原則として認知できないこと、②代襲相続人がいる場合は、認知が出来ること、③その場合でも、代襲相続人が成年者である場合は、⑷の原則どおり本人の同意が要ることとしているのです。

3 認知は子からも請求できる
民法787条は「子、その直系卑属又はこれらの者の法定代理人は、認知の訴えを提起することができる。ただし、父又は母の死亡の日から3年を経過したときは、この限りでない。」と定めているとおりです。

この記事を書いたプロ

弁護士法人菊池綜合法律事務所 [ホームページ]

弁護士 菊池捷男

岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL:086-231-3535

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0
<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
菊池綜合法律事務所|菊池捷男弁護士は数多くの民事裁判を手がけてきたエキスパート

法律事務所は決して敷居の高い場所ではありません。(1/3)

 事務所設立以来40年、「うそをつかない、ごまかさない」を信念に、離婚や相続など数多くの民事裁判を手がけてきた菊池捷男さん。現在事務所には菊池さんを筆頭に6人の弁護士が在籍し、民事から企業法務まであらゆる法律問題をサポートしています。 ...

菊池捷男プロに相談してみよう!

山陽新聞社 マイベストプロ

あらゆる法律問題に対処可能

事務所名 : 弁護士法人菊池綜合法律事務所
住所 : 岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL : 086-231-3535

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

086-231-3535

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

菊池捷男(きくちとしお)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
共同保証人間の求償権の趣旨・消滅時効中断事由に関する初判例

最高裁判所平成27年11月19日判決の紹介時系列的事実関係⑴ 信用保証協会Aと主債務者会社の代表取締役Bが、銀...

[ 民法雑学 ]

労働 時間外労働等に対する割増賃金を年俸に含める旨の合意の有効性について(後半)

 最高裁判所第二小法廷平成29年7月7日判決は、①医療法人と医師との間の雇用契約において時間外労働等に対す...

[ 労働 ]

労働 時間外労働等に対する割増賃金を年俸に含める旨の合意の有効性について(前半)

 最高裁判所第二小法廷平成29年7月7日判決は、医療法人と医師との間の雇用契約において時間外労働等に対する...

[ 労働 ]

信用保証協会、二度目の最高裁判決

またまた、信用保証協会に不利な最高裁判決が出されました。2016-09-14付けコラムで紹介しました最高裁判所第三小...

[ 会社関係法 ]

立法論としての相続法⑬ 法制審議会で、民法1015条の字句を改めるべしとの意見出る

 現行の民法1015条は、「遺言執行者は、相続人の代理人とみなす。」と規定しています。この字句から、遺言執行...

[ 相続判例法理 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ