コラム

 公開日: 2011-02-21  最終更新日: 2011-02-22

相続 132 相続と登記


1 所有権の移転登記手続
相続が開始すれば、被相続人が所有していた財産は、相続人に相続されます。
不動産の場合は、相続人への移転登記手続が可能です。

2 共有
民法898条は「相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する。」と定めています。

3 保存行為としての相続登記
民法252条ただし書きは「保存行為は、各共有者がすることができる。」と規定していますので、各共有者は、共有物について保存行為ができることになりますが、遺産である不動産を、遺産分割前の遺産共有状態に登記する行為は保存行為になりますので、遺産を共同相続人に法定相続分どおり移転登記手続をすることは、各相続人が単独でできます。
つまり、相続人が、妻Aと子Bの場合、AもBも、Aが1/2、Bが1/2になる登記手続は可能になるのです。
このときは登記記録の内容は「所有権移転」、登記原因は「相続」、登記原因の日付は相続開始時の日付になります。
そして、登記の内容は、共有者 
         持分2分の1(A)
         持分2分の1(B)
になります。

4 遺産分割協議が整った場合
 遺産分割協議が整い、特定の不動産が特定の相続人に帰属することになった場合、その不動産がまだ被相続人名義のままであるときは、その所有権移転登記手続は、登記記録の内容が「所有権移転」、原因は「相続」、その日付は相続開始時の日になります。この登記手続は、不動産登記法63条2項「相続又は法人の合併による権利の移転の登記は、登記権利者が単独で申請することができる。」により、相続人の1人ができるとされています(民事局長通達昭和19.10.19民事甲692号先例集上737ページ)。

5 すでに3により保存登記がなされている不動産について、遺産分割協議の結果、特定の相続人が単独で相続することになったときの登記手続は、不動産登記法63条2項ではできず、この場合は、登記上持分を失うことになる相続人を登記義務者とし、他の相続人の登記上の持分を取得する相続人を登記権利者として、両者の共同申請によりなされることになります。仮に上記の例で、AとBが遺産分割の協議をして、Aが単独で相続することにした不動産については、登記記録の内容は「B持分移転登記」、登記原因は「遺産分割」、日付は遺産分割のなされた日になります。

この記事を書いたプロ

弁護士法人菊池綜合法律事務所 [ホームページ]

弁護士 菊池捷男

岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL:086-231-3535

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0
<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
菊池綜合法律事務所|菊池捷男弁護士は数多くの民事裁判を手がけてきたエキスパート

法律事務所は決して敷居の高い場所ではありません。(1/3)

 事務所設立以来40年、「うそをつかない、ごまかさない」を信念に、離婚や相続など数多くの民事裁判を手がけてきた菊池捷男さん。現在事務所には菊池さんを筆頭に6人の弁護士が在籍し、民事から企業法務まであらゆる法律問題をサポートしています。 ...

菊池捷男プロに相談してみよう!

山陽新聞社 マイベストプロ

あらゆる法律問題に対処可能

事務所名 : 弁護士法人菊池綜合法律事務所
住所 : 岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL : 086-231-3535

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

086-231-3535

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

菊池捷男(きくちとしお)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
民法改正が賃貸借契約に与える影響 4 原状回復の内容は具体的に書く

1 原状回復費用には自然損耗分は入らない 改正民法621条は、「賃借人は賃借物を受け取った後にこれに生じた損...

[ 不動産法(賃貸借編) ]

民法改正が賃貸借契約に与える影響 3 賃料が当然に減額となる場合(改正)

1 民法611条の改正内容改正された民法第611条は、1項で、「賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び...

[ 不動産法(賃貸借編) ]

民法改正が賃貸借契約に与える影響 2 賃借人の修繕権(新設)

1 修繕権の創設改正民法607条の2は、「賃借物の修繕が必要である場合において、次に掲げるときは、その修繕...

[ 不動産法(賃貸借編) ]

民法改正が賃貸借契約に与える影響 1 賃貸借期間が伸長された

ガソリンスタンドの設置目的などに朗報1 現行法は20年、改正法は50年借地借家法の適用のない賃貸借契...

[ 不動産法(賃貸借編) ]

他人の研究論文の模倣ないし盗用と私立大学の使用者責任

 知的財産高等裁判所平成27年10月6日判決は、・大学又は大学院の教員が行うすべての学術論文の執筆,発表...

[ 民法雑学 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ