コラム

 公開日: 2016-07-05 

業務委託契約のチェックポイント① 目算が違った場合の条項

ケーススタディ
1 建築業者ではあるがマンションの分譲を手掛けた経験のないA社が委託者になり,大手マンション分譲会社の従業員であった者が起業したB社が受託者となって,平成**年**月**日,
⑴ 契約目的として,
「①市場調査,➁マンション分譲事業計画の策定及び③それに関する業務の一切」を委託する。
⑵ 対価として,
 報酬3000万円を,ⅰ契約締結時に着手金1000万円,ⅱ市場調査結果報告時に中間金1000万円,ⅲマンション建築確認申請書が提出され受理された時に残額1000万円に分けて支払う。
という業務委託契約を結び,A社はB社に着手金1000万円を支払いました。

2 B社の市場調査報告書の不正確性
⑴ その後,B社は,マンションの市場調査報告書を持参してきたので,A社は中間金1000万円を支払いました(この時点で合計2000万円の支払)が,その報告書を子細に検討すると,不審に思えるものが多く,B社に調査方法を質問すると,言辞不明確であるだけでなく,報告書の中に書かれた,建築資材の調達価格が,A社が認識している価格とかなりの乖離があることが分かりました。
 A社にとって,マンション分譲事業は初めてではありましたが,建築業者であることから,建築資材の価格動向は知っているので,その点に関するB社の報告書の間違いはすぐ分かったのです。
⑵ A社の指摘に対し,B社は,建築資材の価格に関する調査報告書の間違いを認め,調査報告書の訂正書を持参してきましたが,A社がその内容を厳しい目で調べていくと,他にも2,3間違った記載を発見したのです。

3 業務委託契約の解除通知
 かくして,A社は,B社を信用できなくなり,前述の業務委託契約を解除することにし,B社に通知しました。

4 争い生ず
 A社はB社の債務不履行を理由に解除したので,既払の2000万円の返還を請求し,
B社は,A社の解除は,理由がなく,残報酬1000万円の支払を請求するということになり,調停にまでなりました。
 その後,この件は,B社からA社に,一定額の支払いをし,解決しましたが,この金額は,決してA社の満足いくものではありませんでした。。

5 ケーススタディ
このケースから,本件業務委託契約の問題点を指摘していきたいと思います。
(以下,明日のコラムに続く。)

この記事を書いたプロ

弁護士法人菊池綜合法律事務所 [ホームページ]

弁護士 菊池捷男

岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL:086-231-3535

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

2

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
菊池綜合法律事務所|菊池捷男弁護士は数多くの民事裁判を手がけてきたエキスパート

法律事務所は決して敷居の高い場所ではありません。(1/3)

 事務所設立以来40年、「うそをつかない、ごまかさない」を信念に、離婚や相続など数多くの民事裁判を手がけてきた菊池捷男さん。現在事務所には菊池さんを筆頭に6人の弁護士が在籍し、民事から企業法務まであらゆる法律問題をサポートしています。 ...

菊池捷男プロに相談してみよう!

山陽新聞社 マイベストプロ

あらゆる法律問題に対処可能

事務所名 : 弁護士法人菊池綜合法律事務所
住所 : 岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL : 086-231-3535

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

086-231-3535

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

菊池捷男(きくちとしお)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
本人の同意のない個人データの第三者提供の例

Q 当社は、当社の従業員Aに対し、従業員への金銭貸与制度を使って、一定の金額を有利子で貸与していますが、今...

[ 会社関係法 ]

サービス付き高齢者向け住宅の賃借人のあっせんと宅建業法

Q 当法人は、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住=高齢者向けの賃貸住宅又は老人福祉法29条1項に規定する有料...

[ 不動産 ]

会社法における、「選任」と「選定」、また、「解任」と「解職」の意味の違い

1 選任と選定⑴ 会社法の規定 会社法の第三節は、「役員及び会計監査人の選任及び解任」との表題が付けられ...

[ 法令用語 ]

職場での旧姓使用は、権利として認められるか?

東京地裁平成28年10月11日判決を紹介します。 この判決は、学校の教師が、職場で、当該教師に関わる、...

[ 民法雑学 ]

天皇陛下のお言葉の中に見られる「とともに」と「と共に」の使い分け

 本年8月15日は、終戦72年目の戦没者追悼式が執り行われた日です。 この日、天皇陛下の「お言葉」が、天皇...

[ 公用文用語 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ