コラム

 公開日: 2011-01-15 

相続 100 遺留分は相続財産の価額で表示される


1 条文の内容
遺留分を定めた法律条文は、民法1028条ですが、これには、
「 兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合に相当する額を受ける。
①直系尊属のみが相続人である場合 被相続人の財産の1/3
②前号に掲げる場合以外の場合 被相続人の財産の1/2 」
と規定されています。
この用語から分かるように、遺留分とは、「被相続人の財産の1/2又は1/3に相当する額」なのです。

2 例
相続人が、妻と長男、長女の3人、被相続人の財産が1億円として、遺留分を考えてみます。

3 総体的遺留分
民法1028条に従えば、被相続人の財産の1/2に相当する額が遺留分ですから、1億円×1/2=5000万円が遺留分になります。
ですから、上記の例では、民法1028条でいう遺留分とは、5000万円になるのです。
この遺留分は、妻と長男、長女の3人、つまりは全相続人に与えられた遺留分ですので、「総体的遺留分」と呼ばれます。
つまり、上記の例では、総体的遺留分は5000万円になるのです。

4 個別的遺留分
総体的遺留分とは、前述のように、全相続人に与えられた遺留分です。
個々の相続人は、その総体的遺留分の一部を有するにすぎません。その一部とは、総体的遺留分の中の法定相続分割合に相当する金額になります。これを「個別的遺留分」といいます。
したがって、
妻の個別的遺留分は、   5000万円×1/2(法定相続分)=2500万円
長男の個別的遺留分は、  5000万円×1/4(法定相続分)=1250万円
長女の個別的遺留分は、  5000万円×1/4(法定相続分)=1250万円
です。

5 抽象的遺留分又は遺留分割合
遺留分とは、前述のように、被相続人の財産の1/3(直系尊属のみが相続人である場合)又は1/2(それ以外の場合)に相当する額ですが、この金額(a)に各相続人の法定相続分(b)を乗じて個別的遺留分(c)を算出する過程、すなわち、a×bの、aとbを入れ替えても、同じ結果(c)になるはずです。
すなわち、
a×b=cなら、b×a=cになるということです。
そこで、上記の例で、妻の遺留分について、この入れ替えをしてみます。
そうしますと、
妻の遺留分は、被相続人の財産の額の1/2×法定相続分1/2ですが、これを法定相続分1/2×被相続人の財産の額の1/2に入れ替えます。結果はいずれも1250万円になります。
そこから、妻の遺留分は法定相続分の1/2と計算することが可能です。
ここから、遺留分は、法定相続分の1/2あるいは1/3という言い方がなされますが、これは厳密には「抽象的遺留分」あるいは「遺留分割合」と呼ばれます。

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