コラム

 公開日: 2016-04-16 

遺産分割における付随問題③ 同族会社の経営権問題

1 自社株
 いわゆる「自社株」というのは,被相続人が経営していた会社の株式のことです。これは,遺言書で取得者を決めていない場合は,当然遺産分割の対象になります。

2 相続人が以前から持っている自社株の買取を求めるケース
 相続人の中には,被相続人から生前贈与を受けるなどして,自社株の一部を保有している者があって,その者から,そのような固有の財産である自社株を,他の相続人(多くの場合,遺産である自社株を遺産分割で取得する相続人)に買い取ることの要求が出されることがあります。

3 売買契約交渉は,遺産分割とは別問題
 しかしながら,このような売買取引は,遺産分割の審判の対象にはなりません。
では,遺産分割の協議や調停で,できるかといいますと,不可能ではないにしても,遺産分割とは別の法律行為(契約)になりますので,書面は別に作らなければなりませんが,このような売買契約の話まで,遺産分割の中に,持ち込むと,いたずらに遺産分割に時間がかかります。

4 同族会社の経営権問題
 自社株の売買契約の申込み以外にも,自社株の評価額を下げる手はずを取ること(例:純資産価額方式から配当還元方式に変える)などの要求が出る場合もあります。この評価額を下げるという要請は,自社の経営をしないことになる相続人が,株を持っていても,恩恵を受けることが少ないのに(場合によっては,その恩恵が皆無なのに),単に所持しているというだけで,その者が亡くなったとたんに,多額の相続税が発生する(そうなると自社株の保有は財産どころか,巨額の債務になる)という事態を避けるための悲痛な要求である場合もあるのですが,これも遺産分割の中で解決できる問題ではありません。

ご相談は弁護士法人菊池綜合法律事務所へ!

この記事を書いたプロ

弁護士法人菊池綜合法律事務所 [ホームページ]

弁護士 菊池捷男

岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL:086-231-3535

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

1

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
菊池綜合法律事務所|菊池捷男弁護士は数多くの民事裁判を手がけてきたエキスパート

法律事務所は決して敷居の高い場所ではありません。(1/3)

 事務所設立以来40年、「うそをつかない、ごまかさない」を信念に、離婚や相続など数多くの民事裁判を手がけてきた菊池捷男さん。現在事務所には菊池さんを筆頭に6人の弁護士が在籍し、民事から企業法務まであらゆる法律問題をサポートしています。 ...

菊池捷男プロに相談してみよう!

山陽新聞社 マイベストプロ

あらゆる法律問題に対処可能

事務所名 : 弁護士法人菊池綜合法律事務所
住所 : 岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL : 086-231-3535

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

086-231-3535

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

菊池捷男(きくちとしお)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
内部統制システムとは何?④ 集団的企業内部統制システムの例

1 親会社の取締役には、子会社の経営を監視する義務がある 福岡高裁平成24年4月13日判決は、親会社の取締役に...

[ 会社関係法 ]

内部統制システムとは何?③ 内部統制システムが構築されていると判断された例

1 最高裁判決 最高裁平成21年7月9日判決は、内部統制システムが十分にできているという理由で、従業員の不法...

[ 会社関係法 ]

内部統制システムとは何?② 会社法及び会社法施行規則で明文化

1 判決を受けての法の改正 昨日のコラムで解説したように、大阪地方裁判所は、平成12年9月20日、会社に...

[ 会社関係法 ]

内部統制システムとは何?① 法理が先で、条文は後

1 大和銀行事件判決の中で生まれた概念1995年大和銀行のニューヨーク支店の行員某が、アメリカ国債の簿外取引...

[ 会社関係法 ]

定期建物賃貸借契約締結上の注意メモ

会社と会社との間の契約でアドバイスした内容例1 契約締結前にすること → 当該契約が定期建物賃貸借契約であ...

[ 契約書 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ