コラム

 公開日: 2016-04-08 

法律は抽象的な言葉で書かれるが,契約書は具体的な言葉に直して書くべし

1 法律の条文を丸写しにしただけの契約条項
契約書に書かれた条項の中に,
(債務不履行による損害賠償)
第○○条 乙がその債務の本旨に従った履行をしないときは、甲は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。乙の責めに帰すべき事由によって履行をすることができなくなったときも、同様とする。
と書かれた条文がありました。
これは民法415条を丸写しにした規定でしかありません。

この条文の下では,実際に問題が発生した場合,「損害」の範囲,金額について争いが生ずることは必定です。

2 契約書を取り交わす目的
これはいうまでもなく,紛争の予防であり,紛争が生じたときの解決指針の明確化です。
ですから,契約条項は,抽象的な条項ではなく,具体的な金額や,具体的な金額が算出できる計算式を書くべきです。

契約条項としては,
(違約金)
第○○条 乙がその債務の本旨に従った履行をしないときは、甲は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。乙の責めに帰すべき事由によって履行をすることができなくなったときも、同様とする。
2 前項の損害は,次のとおりとする。
 ⑴ 前項を理由に,甲が契約を解除した場合は,金○○○○万円
 ⑵ 遅延による場合は,年14.6%の割合による遅延利息
 これは,法律の条文を丸写しした第1項に,損害を具体的な数字で定めた第2項を加えたものです。
参照
(賠償額の予定)
民法第415条 当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる。この場合において、裁判所は、その額を増減することができない。
2 賠償額の予定は、履行の請求又は解除権の行使を妨げない。
3 違約金は、賠償額の予定と推定する。

【用語の解説】
違約金・・・違約した場合に支払うことを約束した金額のこと

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