コラム

 公開日: 2016-04-07 

店舗を賃借する場合の借主の留意点


 当社は,新たに出店しようとする店の所有者と賃貸借契約の締結交渉をしていますが,賃貸借契約を結ぶにあたって,留意すべきことは何ですか?

A 
①中途解約権を認めてもらうことと,➁建物明渡し時点での原状回復工事の内容を明確にすることです。
1 中途解約条項を設ける必要
通常,建物の賃貸借契約を結ぶ際,契約期間を定めますが,契約期間を定めた場合,借主は,特約がない限り中途解約をすることはできません(民法618条)。
 ですから,賃貸借契約を結び,営業を始めたものの,利益が出ず,退店する必要に迫られた場合に,中途解約ができないとなると,予想外の出費(残存賃貸借契約期間内に支払わなければならない賃料額の総額)が,会社経営の足かせになる場合があります。
そのような事態は,常に計算にいれて賃貸借契約を結ばなければなりませんので,長期にわたる店舗賃貸借契約を結ぶ場合は,必ず,中途解約条項を入れるべきです。

2 中途解約条項の例

第○条 借主は,本契約期間内であっても,○か月前までに貸主に対し,書面で通知することにより本契約を解除することができる。
2 借主が,前項により本賃貸借契約を解除した場合は,貸主に対し,○年間の賃料相当額を違約金として支払わなければならない。
  
3 中途解約条項を設けない場合の貸主のための条項
前述のように,中途解約条項を設けない場合は,民法618条により,賃貸借契約を期間の中途で解除することはできませんが,借主から誤解を招かないよう,

第○○条 借主は,契約期間中,本契約を解約することはできない。
という条項を設けておくとよいでしょう。

参照
民法第618条 当事者が賃貸借の期間を定めた場合であっても,その一方又は双方がその期間内に解約する権利を留保したときは,前条の規定を準用する。
註:前条の規定というのは,期間の定めのない賃貸借は,いつでも解約することができる(建物賃貸借契約の場合は,その意思表示があったときから3か月が経過すると賃貸借契約は終了する。)という規定のこと。

➁の原状回復条項については,別の機会に解説します。

この記事を書いたプロ

弁護士法人菊池綜合法律事務所 [ホームページ]

弁護士 菊池捷男

岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL:086-231-3535

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

2

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
菊池綜合法律事務所|菊池捷男弁護士は数多くの民事裁判を手がけてきたエキスパート

法律事務所は決して敷居の高い場所ではありません。(1/3)

 事務所設立以来40年、「うそをつかない、ごまかさない」を信念に、離婚や相続など数多くの民事裁判を手がけてきた菊池捷男さん。現在事務所には菊池さんを筆頭に6人の弁護士が在籍し、民事から企業法務まであらゆる法律問題をサポートしています。 ...

菊池捷男プロに相談してみよう!

山陽新聞社 マイベストプロ

あらゆる法律問題に対処可能

事務所名 : 弁護士法人菊池綜合法律事務所
住所 : 岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL : 086-231-3535

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

086-231-3535

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

菊池捷男(きくちとしお)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
離婚原因の一つである「夫婦関係の破綻」が,別居期間が短くとも認められる場合

これは,私の事務所が勝ち得た離婚判決の例です。一審判決は,別居期間が2年程度(一審判決までの期間)では,...

[ 離婚 ]

課税価格と相続税評価額とは違う

1 遺産の評価問題遺産分割の調停の席で,遺産(相続財産)の評価をどうするかという問題が提起されることがあ...

[ 相続相談 ]

遺留分減殺請求事件と相続税の処理

1 遺留分減殺請求をして,相続財産の一部の返還又は価額弁償金の支払を受けた遺留分権利者甲の場合これによっ...

[ 相続相談 ]

情報公開条例の誤解⑤ コピー代は全額請求するべし

Q 当市の公開条例には,公文書の開示の方法として写し(コピー)を交付する方法を採っており,コピー代として1...

[ 地方行政 ]

情報公開条例の誤解④ 権利がないことと,権利の乱用は違うこと

Q 住民からの公文書の開示請求に応じた後の,公文書の内容に対する質問に対しては,回答する義務のないことは分...

[ 地方行政 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ