コラム

 公開日: 2016-02-23  最終更新日: 2016-02-24

土壌汚染対策条項

 最近,不動産売買契約書に,土壌汚染に関する規定が書かれているのを,数多く,見るようになりました。これは,土壌汚染の健康への被害が認識されるようになったことや,平成22年4月1日施行の改正土壌汚染法で,土地所有者の義務や権利が明確にされたことによるものと思われます。
 そこで,この制度のことを,以下に,簡単に説明することにします。
 
 土地所有者には、①土壌汚染の原因になるような施設を廃止した場合,➁3000㎡以上の土地の掘削などをする場合,それに③行政側からみて土壌汚染のおそれがあると判断される場合には,土壌汚染状況を調査し,都道府県知事に報告する義務が課されています(法3条1項、法4条2項及び法5条)。
 それに伴い,土地所有者に,汚染の除去などの義務が生ずる場合もあります。
 これらによる調査費用や汚染除去費用の負担は,土地の所有者が負担することになっています(法8条)ので,売買契約を結ぶ場合,万一にも,買主が取得した土地について,このような問題が生じたときの負担について,取り決めをしておく必要性が大きくなったのです。
 なお、土壌汚染のある土地の所有者は、法14条に基づき、自主調査をして、都道府県知事に対し,要措置区域指定の申請をし、都道府県知事の監督下で、汚染除去をして、要措置区域の指定解除を受ける制度ができました。
 これをした後で、土地を売買すれば、土壌汚染問題は回避されますので,土地によっては、売主がここまでするべき義務を、売買契約書条に明記する場合もあります。

一般に,売買契約には,
① 土地利用の履歴の調査・報告(閉鎖登記簿謄本、住宅地図、近隣住民からの聴取りなどよる)条項
② 要措置区域の指定の有無確認条項
③ (要措置区域の指定がないが、土壌汚染が予想される場合)売買契約後、指定の時期までに、土壌汚染に関する専門調査をし、場合に応じて、法14条の基づく措置をとる条項
④ 将来、土壌汚染状況調査や除去措置をとることになった場合の、費用は売主が負担するという条項
などが書かれることがあります。
 なお,専門調査をした後での,売買契約では,その調査報告書は,土地所有権の一部をなすくらいの重要なものと考え,売主から買主へ,交付することも,契約事項として書いて置くべきでしょう。

この記事を書いたプロ

弁護士法人菊池綜合法律事務所 [ホームページ]

弁護士 菊池捷男

岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL:086-231-3535

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

1

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
菊池綜合法律事務所|菊池捷男弁護士は数多くの民事裁判を手がけてきたエキスパート

法律事務所は決して敷居の高い場所ではありません。(1/3)

 事務所設立以来40年、「うそをつかない、ごまかさない」を信念に、離婚や相続など数多くの民事裁判を手がけてきた菊池捷男さん。現在事務所には菊池さんを筆頭に6人の弁護士が在籍し、民事から企業法務まであらゆる法律問題をサポートしています。 ...

菊池捷男プロに相談してみよう!

山陽新聞社 マイベストプロ

あらゆる法律問題に対処可能

事務所名 : 弁護士法人菊池綜合法律事務所
住所 : 岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL : 086-231-3535

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

086-231-3535

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

菊池捷男(きくちとしお)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
住民監査請求があった場合の、監査委員の心構え

Q 私は、某自治体の監査委員をしている者ですが、住民監査請求書を,受理すべきか,不受理とすべきか,補正を求...

[ 地方行政 ]

建築請負契約における瑕疵認定の基準を定めた裁判例

仙台地裁平成23年1月13日判決は、 請負契約における「瑕疵」とは,“ 完成された仕事が契約で定めら...

[ 建築 ]

道路上の障害物により自転車事故等が生じた場合の責任割合(裁判例紹介)

道路上を自転車等に搭乗して、走行中、道路上の障害物や、道路から駐車場に入るときの障害物に衝突して転倒し人身...

[ 交通事故 ]

「等」と書くか、「など」と書くか?

「等」は、「常用漢字表」では「トウ」という字音と、「ひとしい」という字訓しかなく、「など」や「ら」という字...

[ 法令用語 ]

遺言の権利と相続権 2 現在の欧米及び我が国の遺言制度

1 欧米 遺言の権利を認めていた古代ローマ時代、個々の法律は他の法律との整合性を考えず制定されることが多...

[ 民法雑学 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ