コラム

 公開日: 2016-02-08 

約束事や報告などを文書にすることの重要性

1 民事訴訟法228条
(文書の成立)
 民事訴訟法228条1項は,「文書は、その成立が真正であることを証明しなければならない。」,同条4項は,「私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する。」と規定されています。

2 二段の推定
 この規定から,私文書は,本人又はその代理人の署名又は押印があるときは,本人又は代理人の意思によるものであるとの推定を受け,同時に,私文書に書かれた内容も,本人又は代理人の意思であることが推定されます(最高裁昭和39年5月12日判決・民集18巻4号597頁)。これを「二段の推定」といいます。
 ですから,私文書を証拠として提出した場合で,相手方がそこに押された陰影が相手方の印章(印鑑のこと)によるものであると認めた場合は,それだけで私文書に書かれた内容が相手方の意思によるものと推定されますので,相手方は,そうではないということを立証しなければならない立場に置かれます。
 ですから,このような私文書の立証は,比較的容易ということができます。

3 文書の種類
 私文書は,講学上,「処分証書」と「報告証書」に分けることができます。
 「処分証書」とは,手形、遺言書、判決原本等のように、証明の対象である法律上の行為がその書面上でされる文書をいいます。
 「報告証書」とは,受取証書、診断書、商業帳簿その他の人の見聞、意見等を記載した証書で、処分証書以外のものをいいます(いずれも定義は,[有斐閣 法律用語辞典 第4版]によっています)。

4 文書の証拠力は強い
 要は,文書の証拠力は強いものがありますので,約束事(処分証書)のみならず,報告(報告証書)も,書面でする習慣を身に付けるべきです。

この記事を書いたプロ

弁護士法人菊池綜合法律事務所 [ホームページ]

弁護士 菊池捷男

岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL:086-231-3535

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

2

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
菊池綜合法律事務所|菊池捷男弁護士は数多くの民事裁判を手がけてきたエキスパート

法律事務所は決して敷居の高い場所ではありません。(1/3)

 事務所設立以来40年、「うそをつかない、ごまかさない」を信念に、離婚や相続など数多くの民事裁判を手がけてきた菊池捷男さん。現在事務所には菊池さんを筆頭に6人の弁護士が在籍し、民事から企業法務まであらゆる法律問題をサポートしています。 ...

菊池捷男プロに相談してみよう!

山陽新聞社 マイベストプロ

あらゆる法律問題に対処可能

事務所名 : 弁護士法人菊池綜合法律事務所
住所 : 岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL : 086-231-3535

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

086-231-3535

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

菊池捷男(きくちとしお)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
土地を貸す契約書の表題について

1,借地権設定契約書 これは「建物の所有を目的とする土地の賃貸借契約」の場合に使います。契約書には、「...

[ 不動産法(賃貸借編) ]

道徳経済合一説

これは、渋沢栄一の持論とされている考え方です。ここで、道徳というのは、論語の教えのことです。渋沢栄一は...

[ 格言や歴史上の偉人の言葉に学ぶ ]

割増賃金の定額化に関する判例後の通達

すでに本コラムで紹介しました割増賃金の定額化に関する、最高裁判所平成29年7月7日判決を踏まえた通達が、同月31...

[ 労働 ]

大切にしたいもの 一能

吉川英治が描く、「私本太平記」の中に、楠正成が、一人の仮面師(めんし=鑿(のみ)を使って人の顔をつくる者) ...

[ 大切にしたいもの ]

特別の利害関係のある取締役が、取締役会決議に関わった場合の取締役会決議の効果

問題会社法369条は「取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数(これを上回る割合を定款で定め...

[ 菊池と後藤の法律実務レポート(企業編) ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ