コラム

 公開日: 2015-12-06  最終更新日: 2015-12-07

チャーチルに学ぶ ③メモをとること

 チャーチルは,彼の言葉をメモにするだけの専任の秘書を付け,矢継ぎ早にメモをとらせたと言われています。そして,それを,政府の各部局へ交付し,彼らがなすべきことを指示したのです。
そのメモの多くには,「即日実行」という付箋を付けていたということです。
戦時においては,一瞬といえども,指導者の決定や実行が停滞することは許されません。決定や実行の遅滞は,戦時においては特に,リスクの増大を招き,また,国家組織全体のモラルの低下につながってしまいます。ですから,「即日実行」が必要だったのです。

 チャーチルのメモの中に,「最良の解決策を示してくれ。問題の難しさを議論する必要はない。難しさは最初から判りきっている。」という文章があるようです。
チャーチルの,最良策の提示をすることの指示・命令を前に,難しい!と感想を漏らしている関係者の姿が彷彿としてくるようなメモです。
会社の経営者なども,これと同じような経験は,多々されてきているのではないかと思います。
チャーチルと親交のあった,米国の陸軍参謀総長のマーシャルも、「問題と闘うな。決断しろ」と書いたプレートを執務室の机の上に置いていたともいわれています。

メモの重要性は,弁護士が扱う現在の紛争においても,いえることです。
弁護士が依頼者と会話をするときは,依頼者の言葉の全部をメモする,くらいのつもりでメモをしなければなりません。
私の事務所では,私が面談するときは,必ず,他の弁護士を同席させますが,その弁護士の重要な役割は,メモをすることです。
 聴き始めた当初は,重要とは思えなかったことでも,最後まで話を聴いた後,最初に語られたことの重要性が分かる,ということは多々あることですが,その時に,メモの効果が出てくるのです。
この弁護士は,私の言ったことを,何も覚えてくれていない,という思いを,依頼者にさせると,弁護士は失格です。

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