コラム

 公開日: 2010-12-20 

相続 74 使用権を設定する分割は可能か?


1 問題点
 狭小な自宅のみが相続財産で、被相続人の死後、そこに相続人の1人(例えば後妻)が暮らしている。他の相続人(先妻の子)からその相続財産について遺産分割の協議を申し入れられたが、その相続財産を分割すると、後妻は住居を失ってしまう、そうかといって後妻にはその不動産を単独で取得しうるほどの代償金を支払う資力はない、という場合、後妻に安心して老後を過ごさせるために、先妻の子は自宅の所有権を取得し、後妻は生存中その自宅に無償で住むことが出来る権利の設定を受けるという遺産分割ができないか?という問題です。

2 審判例
⑴ 東京家裁昭和52.1.28審判は、相続財産である土地建物の一部で、相続人である子の1人が医院を開設しているケースで、土地建物を配偶者に取得させ、配偶者から医院経営者に医院部分を賃貸させた上で、配偶者が取得した土地建物の価額がその相続分を超えていたので、その超えた分については、他の相続人に代償金を支払わせました。

⑵ 高松高裁昭和45.9.25決定は、原審が、遺産である土地を取得する者と同土地上の建物を取得する者とを別人とした審判について、建物の取得者の土地を使用できる権利が明確ではないとして、原審の審判を取り消した上で、「敷地部分を本審判確定の日より20年間無償で使用させるものとする。」との決定(建物取得者に建物の敷地につき期間20年の使用貸借権を設定する決定)をしました。

この記事を書いたプロ

弁護士法人菊池綜合法律事務所 [ホームページ]

弁護士 菊池捷男

岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL:086-231-3535

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0
<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
菊池綜合法律事務所|菊池捷男弁護士は数多くの民事裁判を手がけてきたエキスパート

法律事務所は決して敷居の高い場所ではありません。(1/3)

 事務所設立以来40年、「うそをつかない、ごまかさない」を信念に、離婚や相続など数多くの民事裁判を手がけてきた菊池捷男さん。現在事務所には菊池さんを筆頭に6人の弁護士が在籍し、民事から企業法務まであらゆる法律問題をサポートしています。 ...

菊池捷男プロに相談してみよう!

山陽新聞社 マイベストプロ

あらゆる法律問題に対処可能

事務所名 : 弁護士法人菊池綜合法律事務所
住所 : 岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL : 086-231-3535

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

086-231-3535

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

菊池捷男(きくちとしお)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
金融機関から見た不良債権の意味と分水嶺

1 不良債権 不良債権とは、金融庁の「金融債権マニュアル」における区分のうち、(ア)破綻先債権(法的・...

[ 民法雑学 ]

独禁法でいう課徴金算定の基礎となる売上額の意味

1 完成品の売上げの中に含まれる、取引相手方から購入した部品の購入原価も含まれる 公正取引委員会平成29...

[ 会社関係法 ]

独禁法上の課徴金の趣旨・額の算定・売上額について

最高裁判所第三小法廷平成17年9月13日審決取消請求事件判決は、1 独禁法で定める「独禁法の定める課徴金の...

[ 会社関係法 ]

株主は、真に契約の当事者として申込をした者

株主は、名義貸与者ではなく、名義借用者というのが判例昭和42年11月17日最高裁第二小法廷判決は、「他人の...

[ 会社関係法 ]

弁護士業務に関する基本原則 3 期日連絡

1 期日連絡は、期日ごとになされる弁護士が、依頼者に対してする報告や、書類送付の一つに、「期日連絡」があり...

[ その他 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ