コラム

 公開日: 2015-11-19 

(補説) 不誠実な宅建業者には,大いなる制裁が・・・

松山地裁平成10.5.11判決は、宅建業者である売主が、高架道路建設計画があるのを知りながら、それを買主に告知しなかった点で、重大な義務違反だとして債務不履行責任と不法行為責任を認め、この土地の売買を仲介した宅建業者は、「土地取引の周辺について調査義務があり、調査をすれば容易に高架道路建設計画を知り得たのに、調査をしなかった」点に過失があるとして不法行為責任を認めました。

そして両者の責任は、売主が高架道路建設計画を知りながら故意に買主に告知しなかった点で責任は重く、仲介業者の方はそのことを知らなかった点では責任は軽いと言えるが、不法行為責任という点で連帯してその賠償をすべきだとしました。

そして,判決は、買主の損害賠償額は、
① 土地については日照・通風被害による減損分10%
② 建物の機能的、経済的減損分38%、
③ 慰謝料200万円
と判示しました。

一般に、売主の債務不履行責任には、慰謝料は認められず、ただ、経済的損害を補填してもなおそれによっても慰謝されない精神的苦痛が残存するときに限り、慰謝料請求権が認められるとするのが最高裁昭和35.3.10判決ですが、この判決は、業者の重大な義務違反を指摘して、買主側の過失相殺を否定し、慰謝料まで認めたのです。

不誠実な宅建業者には,大いなる制裁が・・・ということでしょう。

この記事を書いたプロ

弁護士法人菊池綜合法律事務所 [ホームページ]

弁護士 菊池捷男

岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL:086-231-3535

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

2

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
菊池綜合法律事務所|菊池捷男弁護士は数多くの民事裁判を手がけてきたエキスパート

法律事務所は決して敷居の高い場所ではありません。(1/3)

 事務所設立以来40年、「うそをつかない、ごまかさない」を信念に、離婚や相続など数多くの民事裁判を手がけてきた菊池捷男さん。現在事務所には菊池さんを筆頭に6人の弁護士が在籍し、民事から企業法務まであらゆる法律問題をサポートしています。 ...

菊池捷男プロに相談してみよう!

山陽新聞社 マイベストプロ

あらゆる法律問題に対処可能

事務所名 : 弁護士法人菊池綜合法律事務所
住所 : 岡山県岡山市北区南方1-8-14 [地図]
TEL : 086-231-3535

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

086-231-3535

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

菊池捷男(きくちとしお)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
遺産分割の場合の注意 「課税価格」イコール「相続税評価額」ではないこと

1 遺産の評価問題遺産分割の調停の席で,遺産(相続財産)の評価をどうするかという問題が提起されることがあ...

[ 相続相談 ]

遺留分減殺請求事件と相続税の処理

1 遺留分減殺請求をして,相続財産の一部の返還又は価額弁償金の支払を受けた遺留分権利者甲の場合これによっ...

[ 相続相談 ]

情報公開条例の誤解⑤ コピー代は全額請求するべし

Q 当市の公開条例には,公文書の開示の方法として写し(コピー)を交付する方法を採っており,コピー代として1...

[ 地方行政 ]

情報公開条例の誤解④ 権利がないことと,権利の乱用は違うこと

Q 住民からの公文書の開示請求に応じた後の,公文書の内容に対する質問に対しては,回答する義務のないことは分...

[ 地方行政 ]

情報公開条例の誤解③ 助言義務は説明義務に非ず

Q 当市の公開条例には,第3条 何人も,この条例の定めるところにより,実施機関に対し,当該実施機関の保有す...

[ 地方行政 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ